
アマゾンプライム「フリーバッグ」シーズン2のアニスのネタバレ感想です。
素晴らしかった!!
たった30分x6話の中で、悲哀漂うブラックユーモアに練り込みながら、それでも人生に起こり得る奇跡と愛についてサラッと描き切って見せました。
脚本には一切の無駄がなく、フリーバッグのみならず周囲のキャラ達の生き様まで垣間見せるという・・。
ふーむ・・。
これは製作、脚本、監督、主演をこなした才女、フィービー・ウェラー=ブリッジはやはり相当の才女ですね。
ここまで力の抜けた感じに完璧にやられると逆に嫌味なくらいで、文句のつけようがない!

ここで、一つお詫びと訂正があるのですが、フリーバッグって(いまだに名前が出てこないのは何のこだわり??)まだ33歳だったんですね。
シーズン1での感想では、アラフォー女と書いてしまい失礼いたしました。
まだアラサーでしたよ。でも取り残されつつある独身女という感覚的な部分はあまり変わらないと思うのでいいですかね・・。(ダメかな)
では、一つずつ見ていきたいと思います。
「フリーバッグ」シーズン2のネタバレ感想
やはりクズ女ではなかった
ここって大事ですよね。
前回の感想で、私にはフリーバッグはクズ女には見えない・・と書いたんですけど、シーズン2の冒頭では、やはりクズとは少し違うことを証明してくれました。
まず、カフェを完全に立て直してるところがアッパレ!
ここが大事だということを、才女はちゃんと分かってますね。
例えば同じ負け犬ドラマにしても、「エンライテンド」では勘違い女がシーズン2になっても全く努力せずに、いつまでも他人本願で一発逆転を狙っているところに私は嫌気が差してしまったのですが、フリーバッグは努力する女でした。
前回のエンディングで与えられた小さなチャンスをしっかりものにした形になってます。
さらに注目すべきは、彼女が自身への反省から一切男との行為を絶っている点!
あれほど性欲の強いフリーバッグがこれだけの決意をするというのは、それだけ何かを変えようともがいているのが伺えて、それだけで同性からの好感度もアップ。
人知れず苦しむ彼女が、本当に~苦しんでいるのも伝わってきます。
そんな彼女に降ってきた奇跡とは・・。
これがまた皮肉なことに、神父なんですよね・・。
イイ男なのに、神父って・・。
しかも、人生の荒波を生き抜いてきたような筋金入りの苦労人・・?らしき謎に満ちた深い男。
フリーバッグの自分の人生にコミットしきれない、ある意味突き放した生き方にも鋭いセンサーでメスを入れ、優しく苦しみを汲み取ってくれる男。
なのに、本人は全然飾り気のない、底抜けに愛嬌たっぷりの髪の毛ボサボサ男ですよ・・。最高だわ~。
そんな彼を愛さない訳がないフリーバッグ・・!
そして同じようにフリーバッグを愛してしまう神父!
でも、最後に神父が選んだ強敵は、空の上のあのお方でした・・。
神父役のアンドリュー・スコットが凄い!
凄いわ~!
この役者さん以外で、この愛すべきヘンテコ神父を演じられる人がいるんでしょうか?!と思ってしまうほどのハマり役でした。
非常に情緒的で繊細で、同時に厚みのある男を見事演じ切りました!
またこれが頭ボサボサなのに、セクシーなのよねぇ・・。
フリーバッグとの化学反応も抜群で、見ていて本当にワクワクしました。
あ~ぁ・・・、完璧だったのにな~。神父じゃなかったら・・。

アンドリュー・スコットに興味が湧いたので、ちょっとwikiを見てみましたが、この方はゲイで、2013年にロシアのプーチン大統領が発表した反同性愛法制定に際してカミングアウトしたそうです。
なるほどねぇ・・。
それを聞くと、あの女性的な繊細さはそういう部分から来てるのかしら・・なんて勝手に想像しちゃうわ。
これまでイギリスで数多くの賞を受賞している実力派。
私は少し前に見た「ブラックミラー」が初めてでしたが、やはり肉厚でしたよ。
今回の「フリーバッグ」では、今日本国で発表のエミー賞のコメディ部門でノミネートされてるかもしれませんね!
家族も愛情たっぷりな描き方
姉の方にも奇跡が降ってきましたね!
あのニコニコ笑顔のフィンランド人、素敵だわ~。
鉛筆みたいな髪型になったクレアにあんな優しい言葉をかけてくれるなんて、それだけでホロリと来ちゃう・・。
あんなの汚い禿げ親父はササっと捨てて正解でしょう!
キモい息子君も味方してくれていたというのが、またいいじゃないですか!
クレアの大ファンでしょうからね。彼女の幸せを陰ながら願ってくれていたのでしょう。
というわけで、姉に関してはフリーバッグの大勝利でした!!
禿げ親父とフリーバッグとのの「ファッキュー!」合戦は聞いてて痛快!優位に立ってる時はもっと痛快!
最後の最後にギャフンと言わせて大勝利を収めてくれたので、私たちもスッキリ爽快でした。
ダブルクレアが空港で出会う愛のシーンも見たかったなぁ・・。
たぶん2人してニコニコなんでしょうね。
それから、父の言葉もまた切なくて良かったわぁ・・。
分かるわぁ・・。
私も暗い方の人間なので、本質的に陽気な人間を見ると嫉妬する訳じゃないけど、陰気な自分に余計気が滅入るのよね。
でも、フリーバッグの言うように、それを本人に言っちゃう等身大な父親も素敵ですけどね。
最後、ついに父の嫁となった代母の女ですけど、フリーバッグの後ろ姿を描くなんて直球過ぎて笑えるわ。
嫌いなものは嫌いとハッキリ意思表示する清々しさも、ある意味強さなのかなぁ・・。(真似できないわ)
クリスティン・スコット・トーマスが!
「イングリッシュ・ペイシェント」のクリスティン・スコット・トーマスがゲスト出演してくれました!
今年59歳という年齢相当に見えるのに素敵なのは何故だろう・・。イギリス人女優は顔をイジらないので年をとっても自然な美があるといいますが、まさにそれでしたね。
自分に偽りがないからか、セリフに重みがあるわぁ・・。
「フリーバッグ」シーズン3ではついに愛に恵まれる?
シーズン2では、本当に愛に出会うことができたものの、決定的な事情のせいで成就させることはできませんでした・・。
ここまで運が悪いと、厄払いでもしたほうがいいような気もするフリーバッグですが、シーズン3ではついに運命の人に出会うことができるのかが注目ですね。
私としては、実はあの銀行家のオジサンなんていいんじゃないかなぁ・・と思う訳ですが、残念ながら彼女の趣味じゃないそうで・・。こればかりはしょうがない。
でも、あのオジサンには気がありそうでしたけどね。
またシーズン3に出て来てくれないかなぁ・・。


