ヒューマン

ドラマ「チェルノブイリ」全話のネタバレA感想/全力解説 悶絶覚悟で見るしかない!

HBO海外ドラマ「チェルノブイリ」の全話のアニスの感想/あらすじ/詳細解説/考察です。冒頭と登場人物紹介まではネタバレなし、注意書き以降はネタバレ感想です。

 

今年、IMDbのレート9.5を叩き出し、あの「ゲームオブスローンズ」(9.4)を超えたとセンセーショナルな話題を呼んだ「チェルノブイリ」(全5話のミニドラマ)。

数日前のエミー賞では、見事、作品賞、監督賞、脚本賞を受賞!

主要キャストもほぼ全員ノミネートを果たしてましたので、評価も非常に高いのが伺えます。

 

第1話を見ましたが、もう苦しくて苦しくて・・。

放射能地獄に突き落とされながらも何も知らされない人々をただ見ているのが辛すぎる。(子供達・・!)

事の重大さに愕然としながらも、犠牲を覚悟で最後の力を振り絞る所員達。

 

この地獄を見る必要があるのか・・と問われれば、きっと見る必要があるのでしょう。

ただし、あまりに辛い場合はギブアップもアリかと思います。

 

登場人物・キャスト紹介の後、ネット上で知り得た情報をたっぷり交えて感想/解説を書いてます。(今度ドラマで描かれそうな点については書かないつもりですが、うっかり触れてしまっている場合はご容赦ください。)



「チェルノブイリ」未見の方は予告編で心の準備を

衝撃的な映像がありますので視聴ご注意。

 

まるでホラー映像ですが、現実に起こった事故によるもので、それは8年前の事を想えば私達にとっても他人事ではないんですよね・・。

 

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「チェルノブイリ」キャスト紹介

ヴァレリー・レガソフ

核物理学者。ソ連が独自に開発したRBMK炉の専門家。

ジャレッド・ハリスはイギリスの名優。

彼が主演した「ザ・テラー」で、私はすっかりファンになりました。人間臭さもあるのににどこか気高いものを感じさせる存在感!

 

ボリス・シチェルビナ

ソ連閣僚会議の副議長。

ステラン・スカルスガルドはスウェーデン出身の世界的映画俳優で、「刑事リバー」や「グッド・ウィル・ハンティング」などで有名。

 

ウラナ・ホミュック

核物理学者。

エミリー・ワトソンもご存じイギリスの大女優(「奇跡の海」)。

この方がドラマに出るなんて、なんて贅沢。

 

アナトリー・ディアトロフ

チェルノブイリ原発の副技師長。事故当日の現場責任者。

ポール・リッターの怪演にはゾッとするものがありました。

 

ヴィクター・ブリュハーノフ

チェルノブイリ原子力発電所 所長

コン・オニールという役者さんですが、声が強烈。

 

ワシリー・イグナテンコ

地元プリピャチの消防士で、事故直後に消火にあたる。

アダム・ナガイティスは「ザ・テラー」で注目を集めた新進気鋭の俳優さんです。

 

リュドミラ・イグナテンコ

ワシリーの妻。

ジェシー・バックリーもイギリスの若手女優で高い評価を受けてる方です。

大河ドラマ「戦争と平和」に出てた頃、あのジェームズ・ノートンと付き合ってたんですよね。一見顔は地味ですが、注目の女優さんです。

 

*この先はネタバレ感想です。



 

「チェルノブイリ」第1話のネタバレ感想・解説

正直もう何も言葉が出ないです。

恐ろしくて、タオルを顔に当てていつでも隠せるようにしながら見続けましたけど、ただただ恐怖の連続でした・・。

 

レガソフのテープ

事故から2年後、主人公のレガソフは当時の真実をテープに語り尽くした後に自殺しますが、彼は既に病に侵され余命は長くないようでしたね。

2年後でもまだ監視の目があるのか、外には車が停まってました。

彼はなんとかこのテープを誰かに託すために、ゴミ出しのフリをして脇道の窓枠に隠します。

 

ちなみに、このテープの内容を元に「チェルノブイリ原発事故」というドキュメンタリー番組をBBCが製作し2006年に放送されたらしいので、今回のドラマもその内容に沿っているのかもしれませんね。

レガソフの自殺理由については諸説あるようですが、あの日のあの時間を狙って命を絶ったわけですので、当然抗議の意味があると思われます。

 

「嘘の代償。

本当に危険なのは真実を見誤ることじゃない。嘘を聞き過ぎて真実を完全に見失うことだ。」

というセリフから始まり、次に彼はディアトロフという男について語っています。

「あの夜現場で指揮を執った尊大で意地の悪い男ディアトロフは、今後強制労働収容所に10年入れられる。

彼には死刑が値するが、本当に悪いのは彼じゃない・・」と。

そしてすぐ、私達はこのディアトロフという男があの晩犯した罪を目の当たりにすることになります。

 

現実を見ないという狂気

 

あの現場責任者のディアトロフは本当にあんな感じだったの?!

顔を焼けただれて倒れる部下を見ながら、「汚染水の近くにいたんだろう。」とひたすら現実逃避を続けてましたよね。

気に食わない報告をする部下は「錯乱してる。」と切り捨て無視。

彼こそまさにショック状態で現実を見るのを最後の最後まで拒否してました。

「炉心は爆発して、もうない!」

という事実をどうしても受け入れようとしないのです。

突然予想だにもしない悪夢に見舞われた時、人間はああして否定し続けることで正気を保とうとするのでしょうか・・。まさに、それこそが狂気なのですが・・。

 

ディミトロフが「RMDK炉の炉心が爆発するはずない」と言ってましたので、このRMDK炉について少しググりました。

 

RMBK炉とは

日本原子力研究開発機構のサイトから図をお借りしました。

ソ連が独自に開発した沸騰軽水冷却圧力管型黒鉛減速炉で、原子炉冷却材には軽水を、中性子減速材には黒鉛を、燃料には低濃縮ウランの二酸化ウランを採用している発電用原子炉とのことだそうです。

 

爆発した4号機の外に散乱していたこの煙を放つ物体ですが、副技師長シトニコフが会議室で所長らに「がれきの中に黒鉛の欠片が」と説明していた物と同じでしょうか。

上の図でいうところの黒鉛なのか、その周りの放射能遮断壁なのか・・。

【追記】散らばっていたのは黒鉛や燃料棒の欠片だったそうです。(通常の原子炉はこのような状態とのこと。↓)

 

この物質を自身も窓から見下ろしていたディアトロフですが、この報告を頭ごなしに否定し、やはり事実を認識しようとはしませんでした。

 

ちなみに嘔吐して倒れたディアトロフの代わりに排気筒のところへ見に行かされたシトニコフは犠牲に・・。

皮肉なことに、ディアトロフ本人は2年後に強制労働収容所に行くということでしたので、その時点でもまだ生きていたってことですよね。

あの時あの場所にいて、被爆した量を考えると驚きです。

制御室内は比較的汚染が少なかったのでしょうか・・。

 

また、この石を触った消防士の手が焼けただれていましたので、直接触れなくても近くにいるだけで相当の放射線を被爆することになるかと思います。

そのすぐ横で不安気に消火を続けるワシリー。

すぐ横に置いていたのはこちら↓なので、上の画像の炉心棒によく似ていますね。

 

彼の妻のリュドミラは桟橋に行って火事を見物しようという人々に「危ないかもしれない」と不安を口にしていますが、彼女は当初から化学物質の存在を心配してましたよね。

死の灰の中で遊び子供達や赤ちゃんを見るのは辛かった・・。

彼らの運命は後々説明されるようですが、あの震え上がるような映像を見ただけで充分予想されてしまいますから・・。

 

ちなみにリュドミラですが、初めのシーンでトイレで吐いていたような感じだったので、もしかしたら妊娠初期なのかもしれません・・。

 

そして、ついに建物内に入るよう指示されるワシリー。

この時には彼も既に、事の異様さに気が付いているようでした。



プリピャチの地元議員たちは

わずか2キロ先にあったプリピャチは原子力発電所のために作られた近代的な小さな市で、当時5万人ほどが住んでいたそうです。

 

招集された会議では、地元プリピャチの議員の一人が「危険に違いない、避難するべきだ。」と不安を訴えていましたが、レーニンを持ち出してきた長老らしきご老人に雰囲気で押さえつけられてしまいました。(「GOT」のメイスタールーウィン!)

あの時すぐに住民を避難させていたらと思うとなんとも悔しい・・!

声を挙げられない共産主義国家の統制の恐ろしさが至る所に描かれていましたね。

 

第1話は夜中の1時23分の事故発生から、翌朝までが描かれましたが、「避難」という言葉を口にした人は本当に少なかったですね。

逆に意味なく日勤の所員達を呼びつけ、消防士や警察官を大量動員するという残酷さ。

ディミトロフが「彼らを呼べ」、と命令する度に所員達は固まっていましたので、それが死を意味することを充分知っているのでしょう。

 

命がけで戦った所員達!

ディアトロフが現実逃避を続ける中、自身の役割を必死に果たそうとした所員たちがいました。

 

ユフチェンコ

まず、印象的だったのはこの方、ユフチェンコ。

怪我を負った同僚を担いで救出しようとしましたが、彼が死亡してしまうと、今度は原子炉を見に行けと命令された同僚達と共に最も危険な場所へ戻ります。

この時既にユフチェンコが「炉心も燃料棒もない」と言っていたにも関らず、「命令だから・・」と従おうとする所員たち。

その場所へ行けば、確実に「死」を意味するのは明らかなのに!

そして、原子炉への扉を素手で開け、体を張って同僚達が戻るのを待っていたユフチェンコは怪我を負い、大量被ばくもあって動けなくなります。

「手遅れだ。」と呟き、タバコを吸う彼は、すっかり覚悟を決めているようでした。

 

トプトゥーノフとアキーモフ

原子炉運転技師のトプトゥーノフ原子炉運転当直の班長アキーモフは炉心を冷やす為に給水バルブを手動で開ける作業に徹します。

高い放射線を浴び続け真っ赤に腫れあがる手で、通常でも何時間もかかる作業をひたすら続けるのは、もはや精神力でしかなかったでしょう。

「何百万人もの被害が出る・・」「I’m sorry..」と泣きながら使命を全うしようとする彼らだけが、事の重大さとその責任を認識してたようでした。

 

一方、上層部には放射線濃度は3.6という偽りの数値が伝えられる愚かしさ・・。

この時の放射能の一体数値はいくつだったんでしょうか・・。考えるだけでめまいがします。

マックス1000の計測器が壊れたと言ってましたので、それ以上だったのでしょうか・・。

もっと恐ろしいのは3.6だと嘘の報告を電話で聞いた専門家のレガソフが「それならすぐに避難を始めないと」と進言していたことですよ。

4以下で避難なら、1000以上はどういうことなの?!

もう私の脳で理解し得る範囲を軽く超えます。

実際のところ、あの時のタービン建屋ホールや原子炉中央ホールの放射線量は、500~数万レントゲン/時だったという報告もあるようです。

 

ヨウ素剤とは・・

原子力施設の爆発と聞いて、看護師の一人が「ヨウ素の丸薬は?」と聞いていましたね。

これに対し医師は顔をしかめ「なぜそんなものを。ある訳ない・・」と答えていましたが、

ヨウ素についてwikiではこんな説明がされていました。

放射性でない安定ヨウ素を甲状腺に取り込んでおくことにより、放射性ヨウ素が甲状腺に蓄積されにくくし、被爆によって発生する小児甲状腺がんを減らす効果が期待できる。 18歳未満の者に対して特に効果があり、同時に優先順位が高い。 40歳以上の者は有為な効果が期待できないため服用は不要である(WHOの基準による)。 また、ヨウ素以外の放射性物質に対しては効果が無く、ヨウ素剤を飲んだからと言って防護や除染を怠ってはいけない。

 

後に、当時子供だった住民の多くに甲状腺がんの発症が認められた事実を考えると、近くの病院に全く用意されていなかったというのがなんとも残念で恐ろしい・・。

リュドミラにしても、彼女にしても、女性の方が現実にある危険を察知し対処しようという能力が高いのかもしれません。

 

プリチョフ市民は!?

ようやく開かれる関係者会議は午後2時って言ってましたっけ?

はぁ・・。怖いです。

こうしている間にも確実に迫りくる放射能の脅威・・。

プリピャチで平和に暮らしていた人達の被ばく量は刻々と増えているはず。

 

彼らの命を考える有力者は誰一人いなかったの?!現実とは思えない現実を見せつけられ、どうにもこうにも居たたまれない気持ちで一杯です。

 

これからレガソフの体制側との戦いが始まるものと思いますが、ただ覚悟して見守るのみです。

嘘の代償・・。

その大きさを身悶えしながら見続けるしかなさそうです・・。

 

次は第2話のネタバレ感想です。



「チェルノブイリ」第2話のネタバレ感想・解説

 

辛かった・・。

辛すぎでしょ・・。

子供だけはお願いだから勘弁してくださいな・・。もう辛すぎて耐えられない!

 

今回もネット上で知り得た事故に関する情報をたっぷり交えて書かせて頂きます。

 

ドラマとして傑出してる

1話を見た時には気が付きませんでしたけど、2話を見て、このドラマが目を覆うような惨劇を鮮明に映像化し、その衝撃性だけを強調したものではないことが分かってきました。

 

愚かな悪役達と、聡明な勇者達との対比が鮮やかに描かれ、絶望的な状況下でその真価を発揮するレガソフ、ホミュックはまさにヒーロー、ヒロインそのもの!

さらにプロットを効果的に組み立てることで、サスペンス性、ホラー性も最大限に引き出され、お見事としか言いようがない。

 

副議長のボリス・シチェルビナも、堅物ながら非情に興味深い人物に描かれていて魅力的。

すぐさま彼の視点でも物語が進行し出し、レガノフ、ホミュック、シチェルビナの3者全員に感情移入する形で引き込まれて行きます。

 

そして、また違う視点で物語の語り部になりそうなリュドミラの存在も気になりますね。

負傷した夫を追い、モスクワまで必死に付いて行こうとしていましたが、彼女が目の当たりにする現実とは・・。

 

意外に飲み込みの早い上層部

私はてっきり、あの緊急会議の席でいくらレガソフが訴えても聞く耳持たず・・な展開がずっと続くのかと思ってました。

でも、ゴルバチョフにしてもシチェルビナにしても、レガソフが理路整然と訴えると、徐々に事実を受け止めていましたね。

 

シチェルビナは事の重大さを理解するのに半日かかってしまいましたが、原子力の仕組みなどの理解は早かったし、重い事実を真っ向から受け入れるだけの度量はありました。

 

ただ、悔やまれるべくは住民避難を決断するまでが遅かったこと!!ホウ素や砂の準備は早かったのに、住民避難の決断が翌日になってしまった・・。

諸外国に知られたくないということで、大きな動きを取らずに収拾させたかったのでしょうが、事態は遥かに深刻だったのです。

電話で報告を受け、既にドイツやスウェーデンで放射能が検知され、子供達を外に出さないようにしていると聞くとさすがに目が覚めたようでした。

 

それに、なんといってもレガソフに「自分達は5年以内に死ぬ!」と言われたことがショックだったのでしょう。

誰だって、突然の余命宣言には頭が真っ白になりますよ・・。

 

そして、改めて思うのは専門家のレガソフや自らチェルノブイリにやってきたホミュックは、始めからその死を予測し、覚悟してやって来たということですよね。

 

ただ、それでもできる限り被爆を少なくしたいと願うのも人の子。

伏せてあったコップを選んでいたのは、内側が汚染されていないので内部被ばくを少なくできるということだと思います。

 

ウクライナ当局は速かった!

Wikiを見ますと、避難決定について市内に放送が開始されたのが事故発生から36時間後の27日正午

身分証明書と3日分の食料、貴重品を持って集まるよう指示されたそうですけど、いやいや、せめて食料は汚染されてない物を用意してあげてくださいな・・!

 

そして、14時にバスでの避難が始まり、その2時間後にはほぼ全員が市を離れ、キエフ州の西端にあるポリースキ地区に降ろされました。

実際のところ、ウクライナ当局の初動は早かったそうで、爆発のあった翌朝には1000人の治安警察隊で周辺を閉鎖し、26日中には住民避難に備えてキエフ市内で1000台のバスを待機させていたようです。

でないとこんな短時間で5万人を避難させられませんよね。

 

遅かったのは、やはりソ連政府の決断・・。この40時間がなんとも悔やまれる!!

上からの圧力があったとはいえ、シチェルビナに一晩早く決断ができていれば救われた命も多かったでしょう・・。

 

それを言ったら、あのバカトリオの頭に少しでも脳みそが入っていたら、事態は全く違うものになっていたでしょう!

 

人間性も欠落してたこの2人・・。

考えるのは身の保身だけ。

 

それと自身が混乱状態にあったとしか思えないディアトロフ。

 

謎の長老も罪は重い・・。

 

それから、あの鉄橋に原発事故見学に行ってしまった家族についてですが、触れるのは辛すぎなので、これだけで・・。

もうこれ以上は考えたくないですね。

ただ、一つ言えるのは上のバカトリオ+1の一人でもまともであったなら、彼らは助かっていたとうことですよ。

少なくとも「事故の規模が分かるまでは、安全のために屋内にいてください。」くらいの放送はできたはず!

すぐさまレガノフとの連携が取れていれば、地元の消防士達が犠牲になることもなく、排水バルブを命がけで開けたアキーモフ達も犠牲にならずに済んだのに。

 

彼らが必死にもたらした水が、逆に致命的な危険を生んでしまうなんて・・。

 

悔しいです・・。

 

ただ、一方ではピカロフ大将のように自ら危険な任務に出向くという人もいて心強かったですね。

 

本当、この差は一体なんなんでしょうか・・。



ホミュックが世界を救った!

背筋が凍りましたよ。

あの2回目の会議での、原子炉がさらに爆発する可能性の説明は・・。

爆発と放射能で予測不可能なほどの死者を出すだけでなく、ヨーロッパまで土壌が永久に汚染され、今後何百年と住めなくなるということでした。

当然そうなれば、世界の反対側でも放射線が届くでしょう。

 

ということは、

もし、あれが起きていたらまさに世界滅亡じゃないですか!

よくドラマや映画で言う「アポカリプス」がすぐ目の前まで来ていたということじゃないですか!!

 

これが全て真実なら、あの場にいた核物理学者がレガソフだけだったらそのまま爆発していたということですよね。

ホミュックがあれほど優秀で、あれほどの使命感でチェルノブイリに押しかけていなければ、世界は放射能に侵され滅亡していましたよ。

 

 

ホミュックさんがいてくれてよかった・・。

たった一人の判断が世界を救うその奇跡・・。

 

ただし、その事態を避けるためには3名が犠牲になり、原子炉の下に溜まった貯水槽から水を抜く必要があるそうです・・。

 

若者ばかりが志願!

文句を言っていたのは中高年ばかりで、犠牲を厭わず世界を救おうと志願してくれたのは若者ばかりでした。

はぁ・・辛い。

一人でいいから、「若者が死ぬことない。俺が行く。」と代わりを申し出る年配者がいて欲しかった。

理不尽ですよね。

こんな事故さえなければ、と思うと、何もかもが理不尽で見ていられない。

 

 

そして、完全防備で炉心の下へ向かった3人のはずですが、しばらくすると、次々と懐中電灯が壊れて真っ暗に!!

放射線は機械も壊すらしいですね。

ヘリコプターの一機目も墜落してました。

 

暗闇に不気味に響き渡る計測器の音・・。

 

あの後、彼らがどうなったのかは想像するだに恐ろしいのですが、何が何でも排水しなければ爆発が起きる・・!

でも、実際今の世界があるということは、彼らは任務を成し遂げたということなのか・・。

あんなに広い場所で取り残され、帰り道を見つけることはできたのか?

また次回、その恐怖に直面し、じっと見守ることになりそうです。

 

ヘリコプター部隊と当時の実際の映像

あのヘリコプター作戦にしても、当然一人につき1回の飛行でしょうから、少なくとも20人が犠牲を覚悟で原子炉上空へ向かったわけで・・、それを考えるとやり切れませんね。(1機に複数人が乗り組んでいたそうなので、実際の数はそれ以上。)

 

彼らの多くはアフガニスタン戦争を生き延びた軍人だったそうですが、任務の後にはすぐにキエフの病院に送られ、血液から放射線を除去するために、何度も輸血が行われたそうです。

シベリアから送り込まれた軍用ヘリコプターに鉛で機体を覆う事で、飛行士の被爆量を大幅に減らすことができたとはいえ、上空300メートルでの放射線量は1000レントゲンが測定されたとか。(400レントゲンの被ばくで致死率は50%)

ヘリが墜落するほどの濃度の中に人間が送り込まれるという恐怖は想像を絶します。

【追記訂正】

ヘリが墜落したのは放射線でなく、クレーンのワイヤーにロータが引っかかったのが直接な的な原因だそうです。コメント頂きました。ありがとうございます。

 

 



人間も放射線を発するのか?

ドラマを見ていて一番疑問に思うのはここですよね。

例えばあの病院では、看護師が消防士の服を脱がせて地下に集めるように指示していました。

その服に触れただけで赤く腫れる手を見て思うのが、消防士自身はどうなのだろう・・という疑問。

 

あの映像を見ていると普通に心配になりますよね。

実際、ドラマの中でも「彼らに触れたら危ないわよ!」とリュドミラに注意している看護師がいました。

それを思うと、あの病院内の放射線量はどれほどに達していたのか・・。

被ばくの犠牲者達はもちろんのこと、医師や看護師たちも皆大丈夫だったのか・・。心配でなりません。

 

それと、これは余談なのですが、

前回、高圧的な態度で現実逃避を通したディアトロフなのですが、実はチェルノブイリ以前にも原子力潜水艦内で事故にあい、被爆をするという経験があったそうなんです。

彼自身は生き抜きましたが、その後、家に戻り生活をする中で、息子さんが白血病にかかり亡くなったそうです。

この出来事が彼の人格を大きく変えたと言う人もいるそうですが、なんとも恐ろしく悲しい話です。

 

実際、このチェルノブイリで大量被ばくした生存者の中には「子供を生み育てると、その子が白血病になる可能性があるので、控えた方がよい」と医者に言われたと証言する人もいました。(致死量を遥かに超える大量被ばくを奇跡的に生き抜いた人です)

ただし、大量被ばくの後に子供を生むと、胎児の段階から影響を受けてしまう可能性があるということなのか、それとも長年接触を続けることで被ばくする可能性があるということなのかまでは分かりませんでした。

 

もちろんこの話は、致死量を超えるような大量被ばくをした場合に限ったことで、少量の被ばくならば全く考える必要のない問題だと思いますので、誤解のないようお願いいたします。

 

いずれにしても、後々の被害がどのように放射能と関連付けられ、その影響とされるのかが明確でないため、いまだにこのチェルノブイリによる被害者の数に大きな開きがあるそうです。

目に見えないうえ、何年経っても人体に影響を及ぼし続ける恐ろしい放射能・・。

被ばく者にとって、その恐怖が終わるのは一体いつになるのでしょうか。

 

次は3話のネタバレ感想・解説です。



「チェルノブイリ」第3話のネタバレ感想・解説

 

ある程度覚悟はしてましたが、それでも実際に目の当たりにするとその衝撃に参ってしまいそうです。

もうね、こうして苦しむ人々を見るにはどこかで無感になる必要があって、100%共感してしまったら本当に辛すぎて見てられませんから・・。

だって、ディアトロフを除外すれば誰も悪くないんですよ。

その理不尽さには、もう何を持ち出しても何の慰めにはならないという非情な世界です。

 

今回もこの事故について、ネットで知り得た情報を交えながら書かせて頂きます。

(今後ドラマで描かれそうな部分については極力書かないようにしておりますが、もし意図せず触れてしまっていた場合はすみません。私もこの先を知りませんので・・)

 

排水は無事完了!

懐中電灯が壊れた時にはどうなることかと思いましたが、手巻き式のを別に携帯していたようで、無事にミッションを遂行することができたようです。

手巻きする時の音と、計測器の音が重なりまた怖かった~。

 

世界を大惨事から救った英雄3名は拍手で迎えられていましたが、彼らを迎える軍人らが全く無防備なのが気になりますね。

看護師についてもそうですけど、せめて彼らと接触する必要のある仕事に就いている人達には防護服を用意して欲しい・・。

視聴者は一様にそんな思いに捉われたと思うのですが、この後でまた驚きべき姿で作業に当たる炭鉱夫達を目撃することになります。

 

アキーモフとトプトゥーノフの証言

彼らは制御棒を一斉挿入するためのボタンAZ-5を押した。そして押した直後に爆発したと証言し、ホミュックはそれについて驚いていたようでした。

これについては、ドラマの中で後々解明されていくと思いますので、余計な情報を書かないようにしたいと思いますが、やはり一つにはRBMK 炉の特徴があるようです。

またあの画像を貼っておきます。

この圧力管が1661本もあって制御が複雑という特徴があるそうです。

 

炉心を上から見た画像。↓

 

想像を絶する痛み

実際、この事故の関係者達は「この世で考えられる最も苦しい死に方。早く死ねた者は運がいい。」という証言を揃ってするそうです。

なにしろ恐ろしいことに「モルヒネが効かない」というのですから・・。

血管がドロドロになって注射器の針が刺せないそうなのですが、それにしても何か方法はないのだろうか・・と、居てもたってもいられない気持ちになります。

 

アキーモフとトプトゥーノフの2人は、あの時、排水バルブを開けたことが致命的となってしまいます。

残酷なことに、アキーモフは事故から約2週間後、トプトゥーノフは約2週間半後に亡くなったそうです。

消防士達も同じく2週間程後に亡くなっています。

 

ただし、レガソフも言っていたように潜伏期があり、一時的に回復したかに見える時期があるそうです。

ちょうどこの頃にワシリーとエドミュアは再会を果たしていましたね。

30日となっていましたので、事故日26日から4日後にあたります。

 

また、急性放射線障害(ARS)というのは、大量被ばく後、数日から数か月以内に死に至る障害ということですが、チェルノブイリで3か月以内にARSで亡くなったのは28名とされているそうです。(あくまでソ連政府の発表で、実際のところは下記にあります)

 

そして、驚くのがこの中にディアトロフが入っていないことですね。

彼は急性放射線障害を生き延び、ドラマの冒頭でも説明があったように2年後まで生き延び、強制労働収容所に送られるということでした。

 

ディアトロフはその前にも原子力潜水艦内の事故で被曝した際も生き延びていますので、放射線に対する耐性が強いと考えていいのでしょうか・・。

 

少なくとも事故時の詳細について、包み隠さず語る責任だけは果たして欲しいものです。

 

リドミュラは妊娠していた!ご本人写真

あぁ・・、やっぱり妊娠していたようです。

彼女としては死にゆく夫になんとか伝えたい一心だったのでしょうが、もう少しお腹の赤ちゃんの事を気遣って欲しかった。

もちろん情報のない時代、突然襲われたあの状況においては、彼女には愛する夫のそばに居続けるという選択肢以外なかったわけですが・・。

看護師の温情が残念な結果に繋がってしまいました。

 

ただ、一瞬でも彼が調子のいい段階で会えたことが良かったと考えるべきなのか・・。

辛さを増幅させたと考えるべきなのか・・。

残酷過ぎて、どう考えても慰めにはなりませんね・・。

 

もちろんリドミュラは実在の方で、本当にあの時妊娠されていたそうです。

ともすればドラマ上の演出では?と思いたくなる部分に関しても、あくまで「真実」というのが容赦ないです・・。

 

こちらは消防士バシリー。

 

また、遺体は鉛の棺桶入れられ完全にシールドされた後、コンクリートを流し込まれて埋葬されていました。

その際エドミュラは夫の靴を持っていましたが、腫れあがった足に靴を履かせることができなかった為にああして手にしていたそうです。

はぁ・・、もう書きながら泣いちゃう。



 

チェルノブイリにおける「リクビダートル」とは

事故処理作業従事者のことを指すそうですが、チェルノブイリ事故後は多くのリクヴィダートル達が充分な防護服も与えられずにほぼ素手で作業に当たっていたというのですから、恐ろしい限りです。

この数は今後数年で60万~80万にも及ぶそうですが、その4分の1が軍人で、残りが民間人だったそう。

ドラマの最後でもリクヴィダートル達を招集する様子が描かれていましたけど、若者を見るにつけ胸が痛みます。(30代~40代が多かったらしい)

後に危険が周知されると、拒否者も続出したそうですが、この段階でそこまでの説明を受けた人は少なかったように見受けられますね。

 

そして、トンネル堀りに駆り立てられた炭鉱夫達は裸になって作業に当たってましたけど、その様子を見たレガソフも言葉がありませんでした。

モノ言わず自分達の任務の重要性を理解し、24時間8交代制で作業に当たっていた400人もの炭鉱夫達の男気と覚悟には頭が下がります。

「今後の生活を保障してもらえるか?」と炭鉱夫の長に問われたシチェルビナは「分からない」としか返せていませんでした。

実際のところ、91年3月にソ連政府が元作業員への支援を決定するまで、彼らは何の補償や恩典も受けられなかったそうです。

さらには2005年にはロシアでの法改正により、その手当も大幅に削減に至ったとか。

 

炉心溶融によって溶けだした燃料が基礎コンクリートを貫く可能性はレガソフ達は40~50%と見ていましたが、もし地下水に流れ込んでしまうと、そのまま川や海に流され永遠に汚染されてしまいます。

それを阻む為に炉心の真下まで掘り進み、基礎コンクリのさらにその下にコンクリートを流し込み、その中に冷却用配管を設置しようという試みです。

 

実際の急性放射線障害の被害者数は・・

レガソフ達にピッタリKGBが張り付き、真実を掘り起こそうとしたホミュックが逮捕されたりしていた様子を見ると、とても事故直後に亡くなった方の数が28人というのは信じがたい。

その内訳はあの瞬間に原子力内にいた原発職員とすぐに駆け付けた消防士だけになっていますから。

 

ところが実際のところ、周辺住民達(特に15キロ圏内の農村部)の多くが被ばくし、6月までに病院に入院していた患者数は8000人にもなるそうです。(辛いのがこの内3410人が子供)

そして、6月12日までに亡くなった死者数は24人になるとのこと。

この事実を記した共産党秘密議事録は後にウクライナのジャーナリストによって暴露されたそうですが、この事実に関してもあの第6病院で対応に当たった医師の中に一人アメリカから派遣されたボリス医師がいた為に明らかになったと考えられています。

 

ただし、この議事録にもそれ以降の日付に関しての記載が一切なかったとのことで、実際どこまで死者の数が増えて行ったのかは分からないところです。

 

残念ながら、こちらが正しいと思わざるを得ないですね。考えたくないですが、あの時鉄橋にいた人々のこともありますし・・。

それに、ヘリコプター部隊、炉心下の貯水タンクに入っていった3人に関しても人数に含まれていませんからね。

ドラマは明らかにこの政府発表とは違う事実を赤裸々に描いています。

 

実際の数はどれほどだったのか、あの第6病院では何が行われていたのか・・。

骨髄移植を行った患者も多かったそうですが、最終的には全員亡くなったという記載もありました。

ともかく何からなにまでが想像を絶します。

 

レガソフの抱えたもの

あんな人類史上未曾有の惨事に対し、たった一人で責任を負い決断を下していくなんて、一人の人間が背負う任務としてはあまりに重すぎますよね。

ホミュックを返して欲しいとKGBの長官に「愚直に」(シチェルビナ曰く)訴えていたのは、まさに彼の心からの叫びであったと思います。

その後、再会した2人が「自分達にはこの現実から逃れるという選択肢はない。」としみじみ語り合っていましたね。

極限の疲労状態にあると思われるレガソフ。

 

彼は避難圏が30キロでは不十分で、もっと拡大すべきだと主張していましたがゴルバチョフには聞き入られず・・。

 

ちなみに、ドラマを見たロシア市民からは、このような描き方はゴルバチョフに対してフェアじゃないという声も上がったそうですが、私は特に2話での描かれ方を見ると、彼に対して決して否定的な捉え方はしていないと思うのですが、どうでしょうか。

 

シチェルビナにしても、共産体制の中で板挟みになる立場にいながら、できる限り人道的であろうとする姿勢が見受けられていいですよね。

レガソフの理解者でもあり、なにより彼自身の本質において人間に対してのリスペクトが深いのが伝わってきます。

炭鉱夫に対しても、前回の貯水槽への志願者を募る場面でも率直な物言いで真実を伝えていました。

あの場面でできる唯一の敬意の払い方は、ただありのままの真実を伝えるという一点に尽きますからね。

 

それにしても、レガソフ、シチェルビナ、ホミュックを演じるお三方がとにかく素晴らしい!

全員エミー賞にノミネートされながら惜しくも受賞を逃しましたが、当然のことながら、作品賞受賞へ繋がったのは彼らの名演あってこそ。

リドミュラを演じたジェシー・バックリーも素晴らしかったですね。

 

次は第4話のネタバレ感想です。



「チェルノブイリ」第4話のネタバレ感想・解説

 

辛いエピソードが続きます・・。

はぁ、本当にエグりますね。

動物好きな方には目を覆うような描写の連続で、なんとも辛いわけですが、実際に手を下した彼らにとってはまさに拷問のような日々だったと思います。

 

しかも、コンクリで埋めるほど汚染された動物たちを素手で扱ってましたけど、手袋くらい与えられなかったのでしょうか。

股当ての鉛にしても、自分達で盗んで調達したもののようでしたからね。

情報の少ない中で、自分の身は自分で守るという世界。

 

それにしても、リクヴィダートルのキャンプ場のトイレが生々しすぎる!

まさに戦場です!

 

ウクライナの悲劇

まず、冒頭のお婆ちゃんの語る言葉に衝撃を受けますね。

ソ連の属国として翻弄されて来た壮絶なウクライナの歴史を、これほどまでに凝縮した形で描かれると言葉も出ません。

歴史オンチの私ですが、今回の事故も含め、ウクライナという国がどれほどの悲劇に耐えて来たのかを知る機会になりました。

 

ちなみに、避難を促していた兵士は「ゲームオブスローンズ」のジョンのナイツウォッチ仲間パイパー。

イギリスの俳優さんたち総出ですね。

 

屋根から黒鉛を除去するのに3828人!

4か月経っても、まだ犠牲者が増えますか!

まだ機械も壊れるような高線量地獄に人間が投下されますか・・!と、絶望的な気持ちになります。

 

シチェルビナも西ドイツから送られた機械が壊れた時の怒りは凄かったですね。

電話に八つ当たりしてましたが、レガソフに言われるまでもなく、最終手段が生物ロボットしかないことは分かっていたのでしょう。

人間を送りたくない一心だったと思います。

だからこそ 他の部分でのロボット作戦成功には2人の会心の笑みがこぼれたわけですが・・・。

 

それだけに残念無念。

 

3828人に及ぶ青年らが90秒の任務にあたり、その命を削りました。

考えたくもありませんが、レガノフのこの言葉から推測するに、1分半でどれほどの余命を奪われたのか・・。

放射能耐性については多少の個人差があるようですので、その影響を大きく受ける人もいれば、そうでない人もいるかと思いますが。

 

いずれにしても、とても800ルーブルほどの報奨金で補填できるようなものではないでしょう。

当時のレートで1ルーブルはいくら位なのかが気になったのですが、私が見つけた一番古いもので1998年の17円。

恐らくソ連崩壊前はもっと高かったと推測されますが、17円なら13,600円ですからね。仮にその10倍だったとしても136,000円。

【追記】ツイッターでめめんとゲス森さんより情報いただきました。

当時ドル/ルーブルは1RUR=0.7USDの固定相場制で、円/ドルは1USD=165JPYぐらいのようでした。計算すると800RUR=19万円弱となります。

 

 

90秒で確実に死が迫るという極限の場所に送られた彼らの心境たるや、どんなものだったのでしょうか。

 

その90秒をきっかり私達にも実体験させるような手持ちカメラの映像は本当に恐ろしかった・・。

彼らの息遣いと線量計の音・・。妙にぎらついて見える太陽光。

 

 

慌てて何度もつまずいていた青年がいましたが、黒鉛に足を挟んでしまう場面もありました。

その時ブーツが破れてしまったようで・・。

 

「You’re done.(君は終わりだ)」

指揮官からの言葉が、悲しくも2重の意味に聞こえてしまいます。

 

最後に赤い国旗を掲揚してましたが、見ていてなんとも複雑です・・。

 

リクビダートルの実態と「内部告発」

事故処理従事者リクビダートルについては、正確な記録がほとんど残されていないそうです。

60万人~80万人が従事し、その内の4分の1が軍人で残りが民間人だったというような大雑把なものだけ。

 

あの場所で何があったのかについてを知る資料として、チェルノブイリの元技師メドベージェフが書いた「内部告発」という本があるそうなのですが、そこには愕然とする記述が多くあるそうです。

例えば、原子炉建屋の周囲に散乱した黒鉛の欠片を、事故から2週間後の時点で大勢の軍人たちが手づかみでバケツに集め、コンテナに積んでいた様子を見たメドベージェフがショックを受けるといったものです。

 

また、「被ばく証明書」を書いて欲しい言ってきたグループに、「どこにいたのか?」と聞くと「廃液貯蔵所にいて、30分間作業した」と言われ、気分が悪くなったという記述も。

彼らは線量計さえ持っていなかったそうです。(その場所は60レントゲン/時だったそう)

 

事故原因などについては全てを鵜呑みに出来ないという評価もある本だそうですが、こうした当時の描写についてはかなり貴重な資料だそうです。

 

やはりドラマで描かれたのは氷山の一角でしかないのか。

60万人の一人一人に一体何が起きたのか・・、考えを巡らすと目まいがします・・。

 

今回はその内の一人、パベルという青年に焦点が当たります。

 

残されたペット達は・・

まず、リクビダートルとして送り込まれたパベルを演じていたのはバリー・コーガン

見てるだけで切なくなるような強烈な印象を残すお顔ですが、どこかで見たなぁと思ったら「ダンケルク」に出ていた彼でした。

 

屈強な先輩軍人は「ウエストワールド」にも出てたファレス・ファレス。

 

股に鉛をつけて精巣を守ろうとしてましたけど、どれほどの効果があるんでしょうか。

以前、日本でもゴミ焼却炉から排出されるダイオキシンが精子の奇形を増やし運動率を悪くするなど、男性不妊に繋がるということで騒がれましたが放射線の場合はどうなんでしょう。

精子の運動率は食べ物や環境因子でも簡単に変化するようなので、放射線の影響も受けやすいに違いないと想像はしてしまいますが・・。

 

それにしても、お腹を空かして人に寄って来る犬を撃ち殺していくなんて辛すぎる!

ガリガリになりながら子犬を育てていた母犬を見た日には、もうたまらない・・。

 

ショックで放心状態のパベルに、アフガンで初めて人を殺した時のエピソードを語る兵士の気遣いにはグッときますね。

人と犬を同列で語るのは、手を下す辛さは同じという彼の経験値から来ているだけに重みがあります。

こうして互いに支え合っていかないと、とても務まらない現場です。

 

RMBK炉には欠陥があった!

ホミュックが見つけたヴォルコフの報告書によると、10年前からRMBK炉には極端な低出力で不安定になっている状態で一気に制御棒を注入すると、逆に出力が一時的に上昇してしまうという欠陥が見つかっていたそうです。

出力を上げようとホウ素でできた制御棒を完全に引き抜いた後に、停止ボタンで一斉にまた挿入すると、始めに炉心に入るのはホウ素ではなく黒鉛になってしまうとのこと。

 

ホウ素と黒鉛の違いについては素人の私にはよく分らなかったのですが、ホウ素は中性子を吸収するため核反応を抑えられるのに対し、黒鉛は安価で中性子の吸収が少ないので減速材として使われるそうです。

 

ところが、国が誇る原子炉に欠陥があることを認めたくない政府が隠蔽を続けていたようで、その事が今回の事故につながったという訳でした。

 

通常はこのような低出力状態にはならない物らしいのですが(それ自体が危険なので)、あの時ディアトロフ達はタービンの慣性回転を利用した非常用電源のテストを繰り返していたため、それが致命的な結果に繋がると知らずに危険な低出力を続けてしまったとのことです。

AZ5ボタンを押し、制御棒を注入すれば停止するはずと信じていたのですから。

 

自分には非がないと、頑なに協力を拒むディアトロフですが、彼が無理な実験をしなければ事故は起きなかったのも事実です。

そして、報告書の2ページ分を抜き取り、隠蔽をした体制側も、このような不安定な低出力状態は現実には起こり得ない考えてのことだったはず。

 

以前この2ページを読んだことのあるレガソフさえ、まさかその事が原因になり得るとは予測もできなかったと言ってましたね。

 

この事実を公表しなければというホミュックに対し、家族の命まで狙われることになると躊躇するシチェルビナ・・。

それに対し、消防士のワシリーとリュドミラの悲劇を語り、信念を揺るがせないホミュック。

「命なんて惜しくない。誰かが真実を語らねば」と。

果たして彼らはどう決断し、何を犠牲にしようというのか・・。

 

リュドミラのさらなる悲しみ

お腹の中ですくすく成長していたワシリーとの赤ちゃんですが、外の世界では4時間しか生きられなかったそうです。

放射線が残酷なのは、老人よりも若者、大人よりも子供や幼児・・と、若いDNAを大きく傷つけることでしょう。

 

何もかもを失ったリュドミラは、この記憶と共に、今後もこの国で生き続けて行かなければなりません・・。

 

キエフの狭い部屋に戻った時、あの小さな窓から何を見るのでしょうか。

 

来週はいよいよ最終回。

どのように締めくくられるのか想像もつきませんが、最後まで見守りたいと思います!

 

次は最終回のネタバレ感想です。



「チェルノブイリ」最終回のネタバレ感想

 

素晴らしかったですね。

レガソフ、シチェルビナ、ホミュックの三人の絆と友情が切なく映し出され、彼らが命懸けで勝ち得たものの尊さを、改めて噛み締めるような最終回になりました。

なんと今回のエピソードはIMDbレートが驚異の9.9。

この傑作の締めくくりに相応しい、気高さに満ちた最終回だったと思います!

 

今回もネットで知り得た驚愕の情報を交えながら書かせて頂きます。

 

冒頭のシーンが美し過ぎる

事故からほんの12時間前のプリチャピ市には、別世界がありましたね。

笑顔のワシリーやイミュドラ。あの鉄橋に行って命を落とした友人家族・・。子供達。赤ちゃん。

事故さえなければ続くはずの幸せを見せられ、なんとも心が痛む場面でした。

 

ホミュックは架空の人物だった!

なるほど~。

実際は、レガソフは大勢の科学者たちと事故処理対応に当たっていたんですね。

それはそうですよね。

1人であれほどの重要な決断を下し続けるなんて無理でしょうし。

今回はドラマ化にするにあたり、彼らを集約させた人物としてホミュックを創ったそうです。

その手法も結果的にお見事でした。

常に真実を鋭く見つめ、決意を揺るがせなかったホミュックを演じたエミリー・ワトソンは思えば神がかってさえいましたからね。

科学者達の真実を求める熱意と高潔さの象徴だったと考えると納得です。

 

信念を貫き真実を話したレガソフが、その代償として全てを奪われて立ち去る時、遠くで別れを告げていたシチェルビナとホミュックの姿に泣けました・・。

実際には、こうしてレガソフの勇気を称え、共に戦った科学者たちが大勢いたということですね。

それを知ると少し救われる気がします。

 

事故説明が分かり易かった

素人の私でも理解できるほど分かり易く噛み砕き、図や模型で説明してくれたのがありがたかったです。

存在は知ってるけれど、実際には何も知らない・・という原子炉の構造や仕組みについて、これだけ一般に広く説明されたことはなかったかもしれませんね。

(今回はあくまでRMBK炉についてですが)

 

前回も書いた、ホウ素で造られるはずの制御棒の先端に黒鉛が使われていたのは、それが安価だから・・というなんとも残念な理由でした。

 

ザっとですが、結果的に事故の原因と思われる事柄についてまとめたいと思います。

  1. 所長のブリュハーノフは発電所の建設を予定よりも急がせた。(賞与のためとも言われている。)また、安くあげる為に本来は放射線防護壁にすべき所も普通のコンクリで済ませるなど、手抜き工事も随所にあったのだとか・・。
  2. 完成を急がせたため、完成前に済ませるべきだった安全性テストをしていなかった。
  3. 非常時に電力が落ちた際にも事故が起きないよう、低出力でタービンを回し、非常用電源でも冷却水が途絶えないようにする実験を終わらせる必要があった。
  4. 当日は既に10時間を通常の半分1600メガワットで運転し続けていた為、キセノン(毒)が溜まっている状態だった。
  5. 電力会社からの要望で日中の実験は中止になり、結果として夜のシフトチームが担当することに。彼らは未経験で知識もなかった。
  6. 通常はキャンセルする所を、昇進がかかっていたディアトロフは今夜しかないと決行。
  7. 無理に出力を700に落とす際に、溜まっていたキセノンの影響でさらに出力が落ちる。
  8. 慌てて上げようとしたが、今度は突然出力が上昇。
  9. コントロールが効かなくなりAZ5ボタンで緊急停止を試みるも、制御棒を一気に挿入したことで黒鉛が核反応を促進。爆発。
  10. この原子炉の欠陥については政府が10年前から隠蔽していた。

 

という流れだったと思います。

これほどの個人の私欲や国の嘘といった要素が絡みに絡み、最悪な結果を生むことになったとは・・。

 

もちろん無理な実験を強行したディアトロフ、ブリュハーノフ、フォーミンの罪は重いでしょう。

強制労働収容所での10年なんて軽すぎる・・!

 

ちなみに裁判の進行役の俳優さんは「GOT」のルース・ボルトン役マイケル・マケルハットンでした。

 

横暴なディアトロフが行った実験の様子が酷い

よくまぁ、しゃーしゃーと「トイレに行っていた」なんて言えますよ。

ディアトロフの低俗な人間性がよく分るシーンでしたけど、あれほど明確に機関室での様子が再現できたのも、死の直前に語ってくれたアキーモフとトプトゥーノフのおかげでしょう。

 

「指示通りにやらないなら首だ」と脅しをかけられながらディアトロフの命に従う彼らは見ていて本当に辛かったです。

 

それがどれほど危険であるかは経験4か月のトプトゥーノフだけでなく、経験豊かな原子炉運転当直の班長アキーモフは痛い程知っていたはずですから・・。

命懸けで排水バルブを開けに行ったのも、死の床で苦痛に悶えながら証言を残してくれたのは、その責任の重さを痛切に感じていたからからに違いありません。

本当に責を負うべき人間ディアトロフは証言を拒み、裁判では身の保身の為に「トイレに行っていた」ですからね。言葉も出ません。

 

彼はこの事故で失われた命について考えることはなかったのでしょうか。

この事故の被害拡大を防ぐ為に命を懸けた尊い命は数えきれないほど。

次に、ドラマに登場した人々の運命についてまとめてみたいと思います。

 

「チェルノブイリ」事故後の犠牲者と生き延びた人々

レガソフは事故日の2年後、回想録を残して自殺。

その回想録は科学界に広く知れ渡り、結果的にRMBK炉の改良に繋がったそうです。

 

シチェルビナは裁判の際にはもう余命は1年と語っていましたが実際には事故から4年と4か月後に亡くなりました。

シチェルビナは右。恐らく左はレガソフかと・・。気心の知れた2人の関係が垣間見れるいい写真。

 

直接的に事故を引き起こしたディアトロフは1995年に病死。

最後までその責任を認めることはなかったようです。

 

リュドミラはその後、男の子を授かり、現在は20代の息子さんとキエフで暮らしているそう。

こちらは、ワシリーのお墓にお参りするリュドミラさん。元気そうでよかった。

(真ん中あたりにあるメガネのお墓はアキーモフのように見えますね。)

彼女のインタビューを読んだんですけど、やはり壮絶でした・・。

 

ワシリーは実際には骨髄移植を受けていたようですが、失敗。

彼女は最後まで夫が生還すると信じて見守っていたそうです。

またその時既に、赤ちゃんについては医師から諦めるようにと言われていたことも語っていました。

心臓に欠陥があった為に数日で亡くなったそうですが、なんとこの赤ちゃんまで放射線を封じ込める為にコンクリで覆われて埋葬されたそうです。

なんて悲しい事実。

 

それから、1か月間昼夜を問わず働いた400人の炭鉱夫達ですが、その内の100人が40才になる前に亡くなったというのもやり切れない・・。

炭鉱夫としての誇りを胸に、死力を尽くして働く姿には胸を打たれました。

 

また、残念ながら鉄橋に集まった人々は全員亡くなったそうです・・。

 

辛い報告が続きますが・・、

はい!でもここからが奇跡です!!

 

高濃度放射能に汚染された水に漬かりながらバルブを開ける任務を成功させた勇敢な3名はなんと全員が生き延びたそう!

その内2名は現在も存命なのだとか。

レガソフもここだけは間違っていてくれました。

 

「チェルノブイリ」1話のあの彼も生き延びた!

さらにですが、第1話で勇気ある行動で強烈な印象を残したこの方を覚えているでしょうか?

負傷した同僚を担ぎ、素手で炉心への扉を開け、全身で抑えて負傷していた大男ユフチェンコ。

「手遅れだ」とタバコをふかしていましたが、なんと彼は奇跡的な生還を果たしたそうです!

ガーディアンの「いかに私はチェルノブイリを生き延びたか」という記事では2004年に42歳になったユフチェンコがインタビュー記事が読めます。

「当時若干24歳だった彼は、炉心への扉を開け、肩で支えた。

その時一緒にいた同僚3人は全員2週間で死亡。

天井はなく空が見えて美しかった。大量に吐き続けて喉が猛烈に痛かった。」

とありますので、あのユフチェンコで間違いないと思います。

また同じくガーディアン紙の2006年の記事にもインタビューがありました。

残念ながら2008年に亡くなったそうですが、それでも、あの状態を見た私達は当然即死か急性放射能障害で彼らと同じように2週間ほどで亡くなったと思いますよね。

それが、その後も生き続けていたとは・・!

医者も説明がつかないと驚くほどの奇跡だそうです。

 

原子炉を見に行くという同僚達に「炉心はもうない」と言ったにもかかわらず、彼らが見ると主張したことなどもドラマで再現されていた通り。

ドアを全身で支えていた時に左半身が原子炉側だったので、こちら側に大量被ばくをしてしまったそうです。

 

実はですね、偶然ユフチェンコご本人の映像をYou tubeで見つけました。

「なぜチェルノブイリ原発事故が起こったか?」というタイトルの動画で4分割されていますが、そこに当時の様子を語るユフチェンコが出てきます。

このドキュメンタリーのナレーションがイギリスアクセントなので英製作のものだと思いますが、いつできたものかなどのクレジットが見つからず分かりませんでした。

 

4/4の動画には皮膚移植を最初の年に15回繰り返したと語っています。

 

またこの4/4の動画の最後には、亡くなる前のディアトロフも登場し「責任は当局にある。自分には非がない」と主張し続ける姿が映っています。

 

動画1/4 動画2/4 動画3/4

4/4はこちら↓

 

ディアトロフがこれだけ生き延びたことも驚きです。

 

ドラマ「チェルノブイリ」で最も心に残ったのは・・

というわけで、見るのが本当に辛かった「チェルノブイリ」も今回で終わり。

とにかく凄かった・・。

やはり今回のドラマで一番強烈に心に焼き付いたのは、自らの命を犠牲にして事故処理に尽力した人々の崇高さ、気高さではないでしょうか。

これが壮絶な歴史を持つウクライナではなく、他の西洋諸国だったらばどうだろう・・と思わず考えてしまいます。

 

そして、やはりこの方!ボリス・シチェルビナ!

 

死期を悟り「私は捨て石にされるほどの男だった・・」と言う彼に対し、

「大勢の従順な愚者の中から、偶然にも唯一の適任者が選ばれた。あなたは最も重要な人物だった。」というレガソフのセリフにはもう号泣・・。

 

小さな青虫を見つめ、「美しいな」と呟くシチェルビナ。

 

生命の尊さを誰よりも知っていた人でした。

 

はい、というわけで以上です。

「チェルノブイリ」は多くの死を語ることで、「生」そのものの奇跡を鮮やかに描き出した素晴らしいドラマでした。

 

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