
アニスです。AppleTV+の海外ドラマ「リトル・アメリカ」の感想。冒頭はネタバレ無しでのドラマ紹介、各話の感想はネタバレ有で描いてます。
全部見ましたがよかったですよ~!
全8話中、6話で号泣しました。(私が異常に涙脆いのもありますが・・)
断っておきますが、決して号泣するような悲しい物語ではないし、「これが本当に実話なの?!」と驚くような奇跡も用意されてません。
むしろ、描く内容は非常に素朴でまっすぐ。
ただ、その主人公が煌めく瞬間をほんの少し切り抜き、情感豊かに描くだけ。
なのに、なんでこんなに涙が出るの??
もしかしたら私達は45分の連続ドラマや2時間の映画に慣れ過ぎて、30分だからこそ描けるもっとシンプルで力強いものを忘れていたんじゃないのかなぁ・・と、新鮮なショックを受けました。
本来、物語はこれでいいんじゃないですかね?
探偵ナイト・スクープの神回を見てるあの感じで、頑張ってる人の輝いてる瞬間をそのまま映し出すだけで十分感動できるだなぁ・・と。(ただし、綿密な計算の上にですけど。)
1/19日の段階でのRotten Tomatoesを見て驚きました。

100%のダブル揃い!!(初めて見た。)
ちなみにアマプラの「モダン・ラブ~今日もNYの街角で~」に雰囲気が凄く似てます。
- 30分構成で、
- 泣き笑いできての感動があり、
- 人生の一部分を切り取っていて、
- 新聞に投稿された実話がベースになっている
違うのはテーマがLoveじゃなくて、Lifeなことと、ニューヨーカーじゃなくて移民が主役という点ですね。
でも、比較するならモダン・ラブの方が全然凝ってます。
起承転結があり、オチもある。
視聴者の期待に応える仕掛け的なモノも用意されてるし、セリフも洒落てるし、オープニングはまぁ素敵!
一方こちらはズバリ「素朴」で勝負ですよ!
素朴だからこそ、スッと心に届く力強さが魅力です。
【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。
また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)
「リトル・アメリカ」予告編
すみません、字幕がないんですが・・。
では、一話ずつ感想を書いていきます!ネタバレになってますのでお気をつけて。
「リトル・アメリカ」全話のネタバレ感想
第1話はインド人の両親を持つカビール君が一人奮闘する話

たった12歳で両親と別れてホテル経営を頑張る少年て・・もう見てるだけで涙ですよ。
だって12歳って小6ですよ?どんだけお母さんが恋しかっただろ。
たぶん彼はアメリカで生まれたので自動的に国籍を貰えるんでしょうね。
でも両親は違ったので強制送還。(この両親も「善良」を絵に描いたような2人でいい!)
その両親を取り戻そうとスペリング大会で全国大会行って、大統領夫人に直談判するわけですが・・。
お父さん、お母さんに会いたい一心で頑張ったのに、大人の世界は冷たかった。
ちなみにブッシュ大統領夫人を演じたのは「ツイン・ピークス」のシェリリン・フェンでした。(懐かしい~!っていうか時の流れ~!)
そんなカビール君の、一番いいシーンがやっぱりこれでしょう。

一人孤独に10年以上もホテルを維持し続けたわけなので多少ローになる部分はありながらも、鬱になるでも、世を恨むでもなく、人生楽しむべき時には葉っぱ吸いながら踊っちゃう~!
という、この前向きな明るさとしなやかさが眩しすぎて、思わず心打たれちゃうのです。(これぞ天賦の才能!)
最後もじ~んと来るシーンで締めてくれて、それだけで大満足。
ご本人登場がまた嬉しい。
第2話は不法移民の貧しいマリソルがスカッシュのコーチに出会ってジャガーになる話

もう、この家族好きだわ~。
ガレージに住んで、勝手に大型冷蔵庫に食べ物入れて、最終的に鍵されちゃったり・・。
貧乏でも全然卑屈になってない感じや、互いを思いやりながらも、干渉し合わず、批判もしない感じがツボでした。
貧しくて生きるのに必死だと、きっと相手に求めるものも多くないですよね。とにかく楽しそう。
そしてさらに最高だったのがあのコーチ!
絶妙な訛りで繰り出す「ジャグァワ~。」をずっと聞いていたかった。
英語を聞くに明らかに彼も移民なんですけど、マルソルにかける言葉が素敵過ぎてたまらない。
こんなコーチに出会ったら確かに人生変わるわ~と納得ですね。

なにしろ演じるジョン・オーティスが超芸達者!
先日見た「メシア」の時も肉厚ないい演技してましたけど、こちらはドンピシャですね。
このドラマ、一人一人のキャラがどこかオフビートで天然で微笑ましい。
最後、結局マリソルは負けちゃうんですけど、そこもいい。
そして準優勝を心から祝う母と兄も素敵過ぎてまた泣けちゃうのです。
第3話は最強キャラ登場!ナイジェリアから来たイウェブナがカウボーイがなる話
来ましたよ~!
超オフビートで超天然で超微笑ましい最強キャラ!
始めは強烈な個性に面食らいますけど、10分で見たらもうすっかりファンですよ!
愛さずにはいられない!

「ここが一番いい席なんだ!黒板の反射が少ないのさ。」

「タバコを消してもらえませんか?」

このままの肉が食べたい・・

「こ、これが値段?!」

エッヘン!
もうず~~っと声出して笑ってたんですけど、最後はやっぱり泣かされるんですよね。
結局あの意地悪そうな教授もいい人だったし、カウボーイハットの店のオヤジ達も、牧場であったカウボーイも皆いい人なんですよね。
祖国にいる家族たちの底抜けの明るさにもやられます。

人生常に前向きね。
第4話はフランス人が自分探しの途中で運命の人に出会う話

これがちょっとイマイチでしたね。
いつまでたっても何が話の筋なのかが見えてこないし、クック笑ってるだけの女性に感情移入できないのいうのが致命的でした。
最後にフランス語で話し出して一気に感情が溢れた感じでしたけど、遅かった・・。
しかも、フランス語がそんなにオチとして効いてないのが残念。
他のエピソードはその国の言語で歌うのがオープニングになってるっぽいのに、これは英語なんですよ。そこまでフランス人というのを隠す意味あるか?って感じでした。
ビックリするような聞いたこともない国の言葉だったらまた違ったかもだけど。
一つ言えるのは、10日間の沈黙迷走修行なんて間違っても参加したくない!ってことですね。
最後にシルヴィアを演じたのはメラニー・ロランという女優さんで、先日のNetflix映画「6アンダーグラウンド」にも出てました。綺麗。

第5話はウガンダから来たビアトリスがクッキー屋さんとして成功する話

実はこれも泣けなかったんですよね。
4、5話以外の他6話は全部号泣だったのに、なんででしょ。
ビアトリスがそんなに共感できるタイプじゃなかったのと、なんとなく彼女がアメリカ人に見えちゃったのかな・・。訛りはあるけど。
このドラマに限って言えばですけど、祖国スピリットをそのまま体現するようなキャラが素朴さを剥き出しにしてアメリカ社会と対峙するのが面白いっていうのがあるんですけど、彼女にはそれをあんまり感じられなかったのかな。

ご本人の方がキャラが立ってる?
第6話は中国出身のシングルマザー、アイが子離れするまでの葛藤を描く

これは泣いた~!!上手い!
たぶん、構成としては一番よくできてたし(最終話もよかったけど。)過去の辛い記憶と現在の感情とをリンクさせる演出もお見事でした。
なぜ彼女が子供達と過ごす事にあれほど執着し、失うことを恐れるのか・・。その理由が壮絶でした。
きっと離婚自体も相当つらかったはず。
私はもう、雪の日に一人でエキスポに行っちゃう熱意に泣いちゃいましたよ。なんとか子供達を喜ばせたいっていう気持ちが分かる~。母の愛!
それから、映画館でポップコーンを買わずに持参したビスケットというのも。(我が家も同じ。涙)

子供は切ない・・
そして、最後に分かる、彼女の息子がこれを書いて監督したというオマケがまた素敵ですよね。
アイさんも息子がこんな立派に成長してくれたら、その苦労も報わるってものでしょう。(イケメン!)

第7話はイランから来たファラーズがマイホームを建てるために、巨大な岩のある土地を買う話

これも最高でした。
何が素敵って、ファラーズの奥さん!
あんな風に夫を信じれる妻っていますか?!
ネズミの出るアパートで暮らしながら不満も漏らさず、将来への不安をおくびにも出さない。自分は自分で働きながら、ふらふらしてる夫を心の底から信じてる。
役所で図面を写真に撮っちゃうとことかも可愛い~。
とはいえ岩に夢中になり過ぎてる夫と、息子との仲介役だけそっと買って出る、この絶妙さが妻の鏡でしょう!ぜひ見習いたい!
そして最後に息子君が父の想いを知り、岩の除去に協力する・・というのもよかったわ。見てる人全員が「やめとけ~」、と叫んだとは思いますが・・。
あと、突っ込ませてもらえれば、

この岩の高さ、絶対2メートル40センチどころじゃないだろう~!ってことですね。
楽観的な人には勝てない~!
ちなみに、主演のショーン・トーブは「ホームランド」で有名ですね。
第8話はシリアから難民として渡米したシリアの青年ラフィークの話

これも号泣でした~。
ゲイが違法という国が未だにあるんですね。まぁ、宗教によってはあるんでしょうけど、「地獄へ落ちる。それも母親と道連れに・・」というのはなんとも厳しい。
しかも、息子がゲイと分かった父親は腕を焼き、弟に至っては同じくゲイの友人を殴りつけ、働いていたレストランを滅茶苦茶にする・・って、そっちの方が違法じゃないの?
訴えられたらそれこそ刑務所行きなのでは?
とはいえ、最後は本当に良かった!
難民認定されるまでの辛抱も振れ幅として効果的だったし、ついにたどり着いた自由の国アメリカがハリウッドじゃなくてアイダホっていうオチもまた現実味があってよかった。
最後のクラブでのシーンは曲がいいのもあって号泣ポイントでしたね~。
そこに父親に送った赦しの手紙が届くシーンが出てこられては、もう涙、涙・・。
あのお父さんが息子をどう受け入れるのか、はたまた受け入れないのかは彼の問題。
一方のラフィークは心豊かに彼の人生を歩んでいくのでしょう。
このラフィーク役のHaaz Sleimanですけど、どこかで見たなぁ・・と思ったら、「ER」や「24」「グッドワイフ」「NCIS」などにも出ていたし、最近だとアメプラの「ジャック・ライアン」にも出てたみたいですね。
彼自身もレバノンで育ち21歳でアメリカに渡った移民だそうです。
最後の曲。
「リトル・アメリカ」まとめ感想
はぁ、でも「リトル・アメリカ」よかったわ~!
8話のうち6話で泣けたので、かなりお得感がありました。
この30分という長さが負担なく見られるのでいいですね。テンポもいいので、あっという間。もう少し見ていたいと思わせる長さが絶妙でした。
「モダン・ラブ」も大ヒットだったので、こうした感動系オムニバスが今後増えていきそうですね。
それと、絶対シーズン2も行って欲しい~!
イウェブナほどの強烈キャラが他にいるのかが心配ですが、広いアメリカ!まだまだ出番を待ってる移民さんたちが大勢いるでしょう!
余談ですけど、もしかしたら私がこのドラマにこれだけハマったのは、我が家もある意味「移民一家」だからかもしれないです。
夫がフランス人で、この日本で不器用にもフランス的思想で生きてますので。
例えばイラン人のファラーズが息子の友人たちにもキスしちゃったりしてましたけど、あれウチの旦那も娘たちに外でやるのでヒンシュク買ってます。(さすがに他の人にはしないけど)
やっぱりフランス的に生きてると、調子っぱぐれで日本にハマらない感覚も多いんですよね。
あと基本的にうちも貧乏なので、貧乏エピソードはとりあえず泣けます。笑
というわけで、長くなりましたがAppleTV+に入ってよかったと思わせてくれる優しいオムニバスドラマでした~。
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コメント
コメント一覧 (2件)
我が家でも昨日第1話・第2話観ました。シンプルな物語構成ですが退屈させません。第2話のコーチおっちゃんがイイ、「メシア」の神父役に続いてグッジョブ。
ragaさんはいつもご家族と見れるのが素敵ですよね~。
我が家は常に一人一台です。。笑
3話もよかったんですけど、昨日見た4話はイマイチでした・・。
5話もまぁまぁ、残りに期待です!