「ザ・サーペント」かなり面白い!のに批評家の評価が低いのはなぜ?ネタバレA感想Netflix

(出典:Netflix)

Netflixの海外ドラマ「ザ・サーペント」。前半はネタバレなしの感想とあらすじ、登場人物紹介、後半はネタバレ感想と評価が低い理由です。

は~、面白かった~!

全8話のサスペンススリラーですが、3話以降はかなり面白く見せてもらいました。

Netflixらしいガツンとヘビーな実録犯罪ドラマですが、正確にはBBCとNetflixの共同制作で、既にBBCOneで今年の1月に放送済み。

IMDbは7.7ですが、エピソードレートを見ると8点越えも多くて、緊張感のあるシークエンスには毎回手に汗握りましたよ!

ところがRottentomatoになると、なぜか一般と批評家で大きく評価が分かれるんです・・。

うわ、なんでだろ。

私は93%の方ですけど、批評家が厳しいな~。

これ見てすぐに「ウィッチャー」を思い出したんですが、確かこんな感じで批評家の方だけ悪かったんですよね。

共通項としては時系列が入り乱れてしっかり見ないと分かりづらい点が挙げられるかな~と。

とはいえ、マイナス評価の理由を読み込むと「確かにね~」という部分もあるので、それは後半のネタバレ感想の方でしっかり触れていきたいと思います。

目次

【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。

また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)

「ザ・サーペント」予告編とあらすじ

毒蛇のように狡猾な犯人を捕まえることはできるのか?

これは詐欺師で殺人鬼のシャルル・ソブラジと彼を裁くために繰り広げられた執念の追跡捜査を描いた、実話に基づく物語。 Netflixより

「ザ・サーペント」登場人物とキャスト

まずですね、冒頭のシーンでこの男の「その後」のインタビューシーンがあるんですが、それ見ただけで背筋がゾッ・・。

何この無機質で気味の悪い感じ、絶対ヤバイだろ・・と。

もちろん全編通してもやっぱりヤバかったです、色んな意味で。

実在の極悪犯シャルル・ソブラジを演じたタハール・ラヒムはアルジェリア系フランス人。代表作「預言者」でセザール主演男優受賞の実力派。

アルジェリア系の方がアジア系を演じてるわけですが、似てるんでしょうかね。

でも結果的にはすごい当たり役でした。

よく見ると、かなりイイ男。

シャルルの彼女マリー・アンドレを演じたのは、NHKでも放送された大河ドラマ「女王ヴィクトリア 愛に生きる」のジェナ・コールマン

ケベック出身という設定なので基本シャルルとはフランス語で話すんですが、コールマンはイギリス人。

徹底的に仏語特訓を受けたそうですが、やっぱりケベックのアクセントとはちょっと違うそうだし(仏人夫によると)、英語の方もわざとアクセント入れてるのが少し不思議。

でも見せ場が結構あったし、素晴らしい演技してたと思います。

彼らを追うのがオランダ大使館で書記官ッとして働くヘルマン

シャルル一味を追いかけますよ~!

超可愛いのに、超熱い!

このドラマが面白いのは、ヘルマン君のおかげです!歯を食いしばり怒りに燃える姿を見てるだけでなぜか感動しちゃいます・・。

ビリー・ハウルはイギリスの俳優(31歳で)、「ダンケルク」や「スターウォーズ」に出てました。

ヘルマンの妻アンジェラも夫に負けじと熱い!

たぶん2歳から顔変わってないと思われるベビーフェイスが超可愛い。

エリー・バンバーもイギリスの女優さんで現在24歳。

ベルギーの外交官ポール

ティム・マッキナリーはよくお見かけするイギリスの俳優さんで、GOTにも出てました。

いい味出してて、顔見てるだけでニヤニヤしちゃう。

Netflix「ザ・サーペント」ネタバレなしの感想

全8話ですが、私としてはかなり面白かったです。

確かに始めの2話は辛かったですよ。

夢を持って世界を旅する若者たちが次々と安易な理由で毒牙にかけられ、無残な死に方をしていく過程がこれでもか・・というほど描写されるので・・、

あまりに酷すぎて「無理・・」と、凹む部分はありました。

でも、これは一人立ち上がるヘルマン君の怒りの根源にもつながる部分なので、この描写無しには成立し得ない部分もあったかなと。

(出典:Netflix)

それと時系列が数か月単位で行ったり来たりするんです。

確かに最初はちょっと戸惑いますが、これはすぐ慣れましたね。

そんなに複雑な話でもないし、1話を乗り越えたら2話以降は結構見やすいかと。

それから、批評家コメントにも類似ドラマとして名前が挙げられてた「アメリカン・クライムストーリーのヴェルサーチ」ですけど、私もすぐに「似てるな~」と。

実在した凶悪犯の犯行過程を追っていく手法が同じなので、うわ~、このグロテスクな犯罪シーンを延々見させられるのは勘弁・・と始めは心配したんですが、これは杞憂に終わりました。

なんといっても、こっちのドラマにはヒーローが!

愛嬌たっぷり、若干天然が入ってる感じの「オランダ君」ことヘルマン君です!

(出典:Netflix)

この彼が今時いないような昭和の匂いのする熱血漢で、自分の職務を思いっきり逸脱しながら犯人捜しに奮闘します。

どんだけ壁にぶち当たっても負けない強靭な精神力にアッパレ!見ていて清々しい!

最後まで猫とネズミの追いかけっこがスリリングに繰り広げられるわけですが、これを見ながら「ヘルマン行け~!」と拳に力が入りまくってしまいます。

語学の堪能な妻も積極的に協力してくれるし、始めは孤立無援だった彼にも次第に仲間が増えていくところも見ていてメッチャ盛り上がる!

チーム一丸となってシャルル一味に堂々戦いを挑んでいく過程は実録物とは思えない迫力と緊迫感に満ちていて、大いに興奮しましたよ。

それから、1話の段階では、ヘルマンとシャルル一味との間には7か月ほどの時間差があるんですが、これが3話に向かって徐々に縮まって行きます。

ヘルマンたちがシャルル一味に迫っていく距離感を示すように、時間軸も少しずつ重なってくる辺りにも構成の上手さを感じましたね。

というわけで、ネタバレなしで書けるのはこの辺でしょうか。

2話までは確かにちょっとスローかな。

1話が60分たっぷりあるので、余計に長さを感じるかもしれません。

でも3話辺りから徐々にエンジンがかかってきて、中盤は特に盛り上がります。

最終話もこんなことが本当にあるのか?!という驚きがしっかり用意してあったし、かなり満足な仕上がりでした。

>>Netflixで見る

*次はネタバレありの感想です。

「ザ・サーペント」ネタバレ感想と批評家の評価が悪い理由

批評家のレビューが一様に悪いんですよね。なんでだろ。

いくつか読みましたが、大体ダメ押しされてる部分はこんな感じでした。

犯行描写が残酷なうえに長すぎる。5、6話にできたはず

これは私も思いました。

いくらなんでも善良な若者たちが毒を盛られて苦しんでるシーンを流し過ぎだろう・・と。

一体何回「ゲー・・」と吐いてるシーンを見せられたか。

この辺をもう少し短くするか、あるいは何度もコスッてる部分を省略するかすれば6話にはできた気がします。

それか1話45分とかがいいな。60分が長いのよ。

ジェナ・コールマン起用について

彼女のアクセントも結構言われてましたね。

でも私も思ったんですよ。

フランス系カナダ人を探すのは難しくても、せめてフランス人にした方がよかったんじゃないかな?と。

とはいえ、ジェナ・コールマンはイギリスで絶大な人気を誇りますし、想像ですがBBCとしてもやっぱりイギリス人女優を入れたかったんじゃないかなと。主役がフランス人俳優なだけに。

あとね、そっくりなんです!本物のマリー・アンドレに!

いや、そっくりっていうのは言い過ぎだな。

でも輪郭とか、ツンと上を向いた鼻の形とか似てません?

他のキャストもなんとなく雰囲気似てて、ちょっとしたこだわりを感じます。

でも、シャルルは似てないか・・。

もしかしたらジェナ・コールマンに違和感を感じるのは、美人過ぎる点じゃないですかね?

だって、誰からも愛されず必要とされなかった地味女がシャルルと出会い輝き始めるっていう設定ですけど、コールマンは華やか系の美人ですからね。

否が応でも目立つので、その点に説得力がなかったかも。

時系列が細かく交差し過ぎ

これすごい言われてましたけど、そんなに複雑だったかな・・。

意味なくやり過ぎてると指摘受けてましたけど、あれはあれで臨場感があって、それなりの効果出してましたよね。

私はよかったと思うけどなぁ・・。

最後の3話がサスペンスとしての勢いを失ってる

あ~、これは確かにそうかも。

5話が最高に盛り上がっただけに、その後はシャルルの過去を掘り起こす感じの物語にスライドして行ったのがあれ・・?って感じでしたよね。

ただ、役者のラヒムが素晴らしかったので、興味津々で面白く見ちゃいましたけどね

世の中不思議なことがありますな~。

なぜ夫が詐欺師、泥棒と知りながらインドで子供を産んで育てる女性がいるんだろう・・って思っちゃう。

マリー・アンドレもそうだけど、詐欺師に取り込まれた女は終わりなのね。

ただ、シャルルはジュリエットは本当に愛していたようで、マリー・アンドレの時とは全然表情が違いましたね。

あの落差を見てしまうと、マリー・アンドレの悲壮感が余計に際立ってしまうんですが、やっぱり説得力を出すにはもっと「地味な雰囲気で実は美人」な女優さんがよかったのかな。

中核となる盛り上がりポイントがない

これも確かにそうなのかな~。

実録物の仕方のない部分でしょうか。

どうしてもインドの刑務所を出てフランスで優雅な暮らしをして・・、それからなぜかネパールに出向き逮捕されるまでの歳月が長いですからね。

間延びしちゃった部分もあったかも。

でも、ヘルマンの諦めない想いとそれが実を結ぶ逮捕劇まで、しっかり同じテーマがドラマを貫いていたので良かった気がします。

シャルルは狡猾なのか間抜けなのか・・・

それにしても、なぜネパールに行ったんだろ。

本編でも「理由は謎」って書かれてましたけど、分かりませんね~。

いずれにしても、アジアでの犯行も完全犯罪とは程遠いもので、証拠(被害者の持ち物)はアパート中に置きっぱなしだったし、パーティの現場などでも目撃者は山といたし、大胆不敵を通り越して「考えなし」としか思えない部分も多かったですよね。

なので、このシャルルという男は冷酷で傲慢、ブルジョアジーへの怒りと劣等感に燃えた短絡的な目立ちたがり屋とも言えるのかな。

それと、白人富裕層に対する復讐の意味合いもあったなら、それがアジア系の自分による犯行だと示したい欲求もあったのかも。(想像ですが)

それから1997年にインドで景気を終えてフランスに戻ってからは、自分の物語の映画化権を1500万ドルで売ったり、メディアでのインタビューに多額のギャラを要求したりして億万長者として暮らしていたらしいです。

それが6年後の2003年に、なぜネパールのカトマンズにわざわざ旅行に行ったのか。

アジアのシリアルキラーとしての「名声」が薄れてきたので、もう一度それを再燃させるために行ったのかな・・。

うーん、分からない。

結局のところ、金にしか目のない男でしたからね。

「過去の犯行」が金に化けると知り、美味しい思いをし尽くした時点でそのことしか頭になかったのかも。

行って挑発してゴシップになれば、またフランスで金に変えられるはずだと。

その後、ネパールの刑務所に入ってからもジュリエットは金銭的にサポートを続けたりしていたらしいので、本当によく分からない世界です。

「ザ・サーペント」の撮影地はどこ?

【追記】コメントの方で、このコロナ禍の中で人の密集するアジア地域の撮影をどうやったのだろう。ロケはどの国でやったのかな・・。というコメントを頂きましたので調べてみました。

こちらのTravellerの記事によりますと、ほとんどはタイのバンコクとその周辺で撮影されたということです。

ネパールのシーンはタイ北部の丘陵地帯で撮影し、CGでそれらしく加工したそう。

インドのゴアの海岸もやはりタイで。

ヘルマン達が住んでいた別荘風の家が素敵だったんですが、これはタイのアユタヤ近くの古い家を、ご本人が持っていた写真をもとに近い雰囲気に再現したそうです。

撮影は2019年の終わりから2020年の初頭にかけて行われたということなので、アジア圏に関してはギリギリだったようですね。

3月にロックダウン状態になってからは、イギリスのベッドフォードシャーの邸宅でパリの分を撮ったそうです。

というわけで、こんなところでしょうか。

実は私も恥ずかしながら、昔バックパッカーかぶれのことをやってた時期がありました。

安宿に泊まりながら、バックパックしょってフラフラ‥。

スペインでは首絞め強盗にあって、全身痣だらけでパスポートまで盗まれたこともあったし、その他にも色々・・。

死ぬほどビビりなのに、いつ何があってもおかしくない旅をなんとなくしてたんですよね。

今では考えられませんけど、当時は短期間でも日本から脱出して、違う空気を味わってみたかったんでしょうか。

治安の悪いところに行くと、そんな場所で出会う日本人の仲間達とは妙な連帯感を持てて楽しい一方、無事日本に帰ってこれた時には心底ホッとしたものです。

なので、3話のフランス人ドミニクの心境には共感しまくりで最後は猛烈に怖かった~!無事に帰りついた時にはどっと体の力が抜けました。

そんな部分に懐かしさも感じつつ、かなり入れ込んでしまった「ザ・サーペント」でした~。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 初めまして。「ザ サーペント」のことを調べていたらここに行きつきました。
    いやあ久々に見入ってしまった。
    「ブラックレイン」の松田優作とマイケル ダグラス、「イヤー オブ ザド ラゴン」の ジョン ローンとミッキー ローク。追われる者と追う者の対立を描いた映画を彷彿とさせるドラマだったが、こちらもタヒール ラヒム 演じるソブラジの不気味な存在感に圧倒されるドラマだった。
    良質な映画や海外ドラマを見ると、どのように作っているのだろう、ロケ地はどこだろうか?などと思うのだが、
    この70年代のアジアを舞台にしたドラマはどうなのだろう。コロナ感染症下の中、どこもドラマ映画製作は難しい状態だと思うのだが、バンコクの中華街などはセットなのだろうか、あるいはサンフランシスコの中華街?
    カニトンハウスはセットなのだろうか?どこか他のアジアの都市でのロケなのだろうか?
    驚いたのは、タイでよく聞く、あのウグイスなのかカッコーなのかの鳥の鳴き声が入っていることだ。半端ないなあ。やはり撮影はタイなのだろうか?
    いろいろと見どころの多いドラマでした。

    • coffee pluさん、はじめまして!
      確かにソブラジの不気味さや意味不明な貫禄さは凄かったですね。
      「ブラックレイン」の松田優作にも通じる雰囲気ありましたね。

      ロケ地については本文の最後に追記させて頂きましたが、ほとんどタイのバンコクとその周辺だったそうです。
      カニットハウスは40年代の石造りの建物を何とか見つけたみたいです。

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