「またの名をグレイス」壮絶過去が残酷過ぎる!最終話まで見たA感想(ネタバレ有無)

またの名をグレイス

Netflixの海外ドラマまたの名をグレイス」。途中までネタバレなしのアニス感想で、後半はネタバレありの感想です。

ネットフリックスのドラマ、全6話のミニシリーズですが、内容が重くてドドーンと来ました・・。

はぁ・・、シンドい。

もうね、グレイスの生い立ちが可哀そうで辛いのよ~!

「おしん」だって、もっと救いがあったわよ!

うっすら涙を滲ませながらも頑張って見続けて、「でも、最後にはきっと彼女も報われる!こんな残酷な人生が続くなんて有り得ない!」

と、グレイスの母親のような心境で見守りましたが、果たして結末はどうだったんでしょうか?

最後にスカッと一発逆転劇はあるのか?

視聴ページ

【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。

また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)

「またの名をグレイス」予告編とあらすじ

殺人の罪で15年間投獄されているグレイスは、果たして本当に有罪なのか、無罪なのか・・、

当時の記憶が抜け落ちているという彼女にアメリカから来た精神科医が本格的な聞き取りをする。

という内容ですが、とりあえず始めの生い立ちを説明する2話がもう辛くて可哀そうで見ていられない!

ただ残酷描写などの映像はほとんどないので、その辺だけは助かるけど・・。

これでもかというほどの不幸を背負って生きる美しいグレイス・・。

彼女に光が差し込む気配はまるで見られないけど、この聞き取りセッションの後には当然「釈放」・・という流れが待っている??いて欲しい!

「またの名をグレイス」に期待のわけ

「またの名をグレイス」はマーガレット・アトウッドの小説をサラ・ポーリーが脚本・プロデューサーを手掛けてドラマ化したものらしいです

サラ・ポーリーには、「死ぬまでにしたい10のこと」「あなたになら言える秘密のこと」などを見て来て、一筋縄ではいかない興味深い女性という印象がありました。

反戦活動家としても有名で、デモに参加して前歯を折ったという武勇伝もあるそう。

それに、マーガレット・アトウッドは今最も注目のドラマハンドメイズ・テイル・侍女の物語の原作者でもあるんですよね。

と言う訳で、このドラマもかなり期待できそう!

繊細な女性心理を描く作品は割と好きだし、謎解きどんでん返しも期待できそう、しかも主役のグレイスと相対する精神科医も揃って美男美女

恋愛ドラマもあるのかな??

と、期待大で臨みましたが、やはり質が高く、普通のドラマとは一味違いましたね。

ただ、想像した展開ともちょっと違ってましたけど・。

「またの名をグレイス」登場人物とキャスト

薄幸の美少女、グレイス

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演じるサラ・ガドンが向こう側が透けて見えそうなくらい透明感のある女性で、ほどよい知性も感じさせてハマってました。

お父さんが心理学者らしく、彼女も相当IQ高そう。

かつ、2019年「世界で最も美しい顔」の15位に選ばれるほどの美貌です。

清楚な感じなのに、声は低く早口で、どちらかというとファニーヴォイスかも。

話しぶりからも、愚鈍なだけの女じゃない、残酷な人生に翻弄されながらも全てをドンと受け入れて生きて来た女の根性が端々に感じられます。

これだけの不幸に晒されながらも、メソメソせず、毅然と話す態度がまた涙を誘います。

ただ、精神科医との会話が事件の全貌に迫る段階になってくると、今度はこちらも疑問がたくさん・・。

グレイスがどこまで真実を話しているのか、嘘をついて医者を操っているのか、それをするだけの素質がグレイスのどこかに眠っているのか・・。

と、ドラマの流れ上、視聴者としては考えざるを得ない訳ですが、それをどちらとも悟らせない微妙な演技が秀逸でした。

精神科医のジョーダン

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ハッとするほどの美男子で、落ち着いた物腰と丁寧な話しぶりに女性なら誰でもクラっとくるタイプの男です。

次第にグレイスに惹かれていく様子が描かれますが、この男の先には何が待っているのか・・。

結末は誰も予測できないでしょう。

親友メアリー

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生き生き明るいメアリーには誰もが一瞬で好意を抱きますね。

この彼女に待っている壮絶な運命があまりに残酷で、つらいです・・。

女中ナンシー

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アンナ・パキン久しぶり!

「ピアノ・レッスン」で天才子役として衝撃の演技を見せてから、こんなに年月が経っても、笑った時のあどけない印象は同じでした。

感情を押し殺したように表現するのがアンナ・パキン独特の演技法ですが、この役柄も不気味な存在感で怪演していたと思います。怖かった~。年齢不詳だわ~

ネタバレなし感想

6話とは思えないほどの濃さで圧倒されましたね。色んな意味で胸をえぐる作品です。

ただ、終わり方に関して言えば、想像していたような胸のすくどんでん返しや、期待していたようなハッピーエンドではなかったかも。(大きな仕掛け一つありますが)

じんわり余韻が漂い、後味としては複雑で、難解で、人によってはどうにでも解釈できそうな終わり方でした。

この時代の女性の生き方、貧困、民権問題など、興味深い要素が多いので、細かい部分まで面白く見れるし、俳優たちの存在感にも圧倒されます。

見て絶対損なしの、悲しくて切なくて、摩訶不思議なグレイスの一生でした。

視聴ページ

*この先はネタバレ感想です。



「またの名をグレイス」ネタバレ感想

オチは例のあれだった

そっか~、そう来るのか~・・。

別人格が犯罪を犯した・という「多重人格」ものはもう使い古された題材で、正直ちょっと物足りない気もしたけど、まぁ一応は見せ場もあったので良しとしましょうか。

催眠術で別人格の「メアリー」が登場!

あんなにイイ子だったメアリーが恐ろしい男垂らしに変貌してマクダーモットに殺人を教唆する・・というのもちょっと不思議でしたけど、本当のメアリーじゃなくて、グレイスの中にできた「メアリー」という名前の別人格ですからね。

グレイスが子供時代から背負い続けて来た貧困、不幸、不平等、これらに対し強烈な怒りを爆発的に感じた瞬間が、あの死んだメアリーを発見した朝だったのでしょうね。

ビリー・ミリガンのような多重人格もので大体共通している説明が、

「自分では受け止めきれないほどの苦痛や恐怖、不安、悲しみを肩代わりさせるために別人格を作る」というものですよね。

自己防衛本能の一つらしいです。

多重人格者のほとんどが子供時代に壮絶な虐待を受けているというのも、そういう理由だそう。

グレイスに関して言えば、初めてできたメアリーという親友のあまりに不憫で残酷な死が衝撃的過ぎて、その悲しみや怒りを受け止めきれなかったのでしょう。

Let me in「私を入れて」という囁きも、そのヒントになっていました。

その怒りと悲しみから誕生した「メアリー」という別人格が、これまで自分を虐待してきた男たちへ復讐するためにマクダーモットを操り、ナンシーやキナーを殺害させたことで同時にメアリーに起きた悲劇の復讐も晴らしています

でももう一つ、この事件の真相の説明が足りなかったですよね。

何が実際に起きたのかが分かりにくいので、どの瞬間がグレイスで、どの瞬間が「メアリー」で・・というのをもう少し見せて種明かしして欲しかったかも。

ジョーダンに何が起こったの?

グレイスよりも、理解できないのがこの人ですよ。

精神科医なのに、なんでこんなに線が細い??

グレイスとのロマンスに胸をときめかせている中で目にした現実があまりにショックだったのか、その後完全におかしくなっちゃってましたよ。

いやだわ・・、ショックで2年も寝込むなんて・・。

その後、気持ちを紛らわすために戦争に従事するものの、怪我を負って寝たきりに。

うーん、これはどういうことなの?

1話目でクールに登場した時には、これは100%このやり手医師がグレイスを救うヒーローになるものと思ってましたよ。

まさか、こんなに頼りないとは・・。

どんだけグレイスに幻想を抱いちゃったのよ。

というか、「女性」全般に対して抱いていた幻想が壊されちゃった感じでしょうか・・。



で、最終的にグレイスの本性とは・・

ここの解釈が難しい・・。

最後にジェイミーのプロポーズを受け入れ、農場で暮らす決意をしたのはグレイスだったの?「メアリー」だったの?

飼い犬や猫の名前は「メアリー」が夢見ていた通りだけど、それをグレイスがつけるのも納得できるし、その辺がよくわからない。

最後にキルトに託した説明で、「メアリーとナンシーとずっと一緒にいられるように」って、どういうこと?

メアリーならわかるけど、なぜナンシーも??

ずっと嫌いだったように見えたけど。

私の解釈としては、

喜びも悲しみも、怒りも憎しみも全てが自分の人生を彩って来た。だからパッチワークには灰色も薄黄色もピンクも縫い込む。

そして私はいまここにいる・・。

というのがこの表情。

メアリーなのか、グレイスなのか、はたまた統合された人格となったのか・・。

それとも元から多重人格などなくて、すべてはグレイスの芝居だったのか。

そうそう、ジョーダンとジェイミーに対して、「私に起きた虐待の詳細を話すと喜ぶから、聞きたそうなことを話してあげる。」というセリフがありましたけど、あの辺はグレイスっぽくなかったですよね。

男は結局その程度のファンタジーに興奮するだけで、実際に挫折を味わったらすぐに壊れる。

でも、女は違うよ。女は本物の地獄を味わい尽くし、それでも生還することができる。

女は強いよ。

舐めんなよ。

っていうのが、この作品の(作者マーガレット・アトウッドの)メッセージなのでしょうかね。

分かりませんが、そんな感じです・・。

というわけで、ではまた~!

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