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「ボクらを見る目」それでも生きる強さに脱帽! 最終話までのA感想(ネタバレ無有) Netflix

Netflixのミニシリーズ「ボクらを見る目」のアニスのあらすじ、感想です。(前半はネタバレ無の感想と登場人物紹介、注意書き以降はネタバレあります)

 

またネットフリックスから凄いドラマが出ましたよ!

全4話のミニシリーズですが、力強さと質の高さで言えば、この最近のNetflix海外ドラマの中で断トツではないでしょうか?

後半はとにかく涙の嵐!!

気軽に見られるタイプの作品じゃないのは事実ですが、「ショーシャンクの空に」がお好きな方なら見る価値は大いにある、感動の社会派ドラマです!




前半2話と後半2話で大きく分けられる

実際に起きた有名な冤罪事件を丁寧に描いていきます。

1989年の春、セントラルパークでジョギング中の女性が暴行され、瀕死の重症を負う。

5人の黒人とラテン系の少年が逮捕され自白を強要される。 Netflixよりあらすじ

 

各話(最終4話はなんと1時間30分!)が長くて映画並みに重いので、見るのに相当の覚悟と根性が要ります。

特に1話目と2話目はつらかった~。

つまらないのではなく、描かれる事実が衝撃的なレベルで酷くて最悪で、まるで悪夢を目撃してるような辛さなのです!

悔しくて苛立たしくて、3分毎に「あ~!なんてこと~!!」と休憩しないと見進められない程にメンタル体力が要ります。

 

それでも見るのを止めようとは思わなかったのは、贅沢とも言える実力派キャスト陣の見事な共演のおかげと、くっそ~!!絶対このままでは終われない!最後には一発逆転だ~!!という想いがこちらにも憑依するからだと思います。

 

登場人物とキャスト

少年達が素晴らしいのはもちろんですが、年齢的にも若いので有名どころと言う訳にはいきませんよね。

ところが、大人側に出てくるキャストがすごい実力派揃いで、それほど大きな役回りでないところに有名俳優がずらっと名を連ねるのです。

検事側のボス、リンダ・フェアステインを演じるのは少し前に世間を騒がせたフェリシティ・ハフマン。

自分の娘を裏口入学させるために、大学関係者に多額の賄賂を渡した罪で有罪を認めた件ですけど、これには私も驚きました。

このドラマでの彼女もまぁ憎まれ役で、独善的な勘違い女っぷりが見事です。

役柄と本人はまるで関係ないと分かっていても、さすがにイメージ大丈夫なのかなって心配になっちゃうほど・・。

 

少年たちを弁護するミッキー・ジョセフ

「フリンジ」「アフェア情事の行方」のジョシュア・ジャクソンもいい役で出てるんですよね~。

ジョシュア・ジャクソン臭を見事に消して、堅実な演技をしてました。

 

検事エリザベス・レドラー

ヴェラ・ファーミガは「マイレージ・マイラブ」でアカデミーにノミネートされた女優さん。(「ベイツ・モーテル」)

やり手女優がやり手検事を演じます。

 

レイモンドの父サンタナ

私にはいつまで経っても「スーパーマリオ」のルイージなんですけど、ジョン・レグイザモも出てました。(「ムーランルージュ」)

味わいのあるいい親父になってて、見てるだけで涙出そうでした。

 

検事のランシー・ライアン

「ブラックリスト」「Xメン」のファムケ・ヤンセンも短い登場ながら強烈なインパクトを残してます。惚れそう。

 

悪徳刑事にはウィリアム・サドラー。

こういう癖のある悪役はお任せあれ。

そういえば彼も「ショーシャンクの空に」に出てたわね。

 

弁護士の一人にブレア・アンダーウッドも出てます。

小さな役なのになぁ・・。

 

ローガン・マーシャル=グリーンも看守役で鮮烈な印象残してますよ~。(短い登場シーンでマーシャル=グリーンだと気が付かなかった人も多かったんじゃないですかね・・。)

「クォーリーと呼ばれた男」「スパイダーマン」などで注目される演技派です。

 

こうした実力派があくまでも脇役として、卓越した職人芸を見せてくれるのです。

すごく贅沢だし、ドラマとしての質が保証されるというものでしょう。

この他にも私が見逃した有名俳優が結構いるかも・・。

 

冤罪でその人生を大きく狂わされた5人の少年たち。

彼らを演じる俳優の中で、特に際立っていたのがコーリー役のジャレル・ジェローム。

彼は「ミスター・メルセデス」でハーバードに行く賢いジェロームを演じてましたけど、今回はまたガラッと雰囲気を変え、朴訥で不器用な少年コーリーを見事に演じていました。

もしかしたらエミー賞の助演男優行くかも!??(時期的に今年のエミー賞間に合うのかな・・。来年?)と、勝手に期待しちゃうほど素晴らしく、何度も泣かされましたよ。

 

脚本、演出、全てが素晴らしい!

この冤罪事件に基づいたドラマを作ろうとした時に、これ以上の正解バージョンは考えられない!というほどに完璧な構成、脚本、演出だったと思います。

(俳優陣が素晴らしかったのは前述したとおり。)

ネタバレなしで感想を書こうとすると難しいのでこの辺にしておきますが(詳しくは後半のネタバレ有の感想で!)、とにかく見終わった時のカタルシスと心に残る感動は映画並みと言うか、名作映画にも匹敵すると思います!

 

最大の効果を狙った演出と脚本は、丁寧にかつ劇的に私たちが知るべきことを伝え、セントラルファイブと呼ばれた彼らの、人としての威厳や本質を余すところなく描き出します。

彼らの家族もまたいいんですよね~。

それぞれの心の交流が鮮やかに描写され、傷づけられる息子たちをひたすら見守る彼らの溢れんばかりの愛情には涙、涙・・。

このドラマの大事なテーマにもなってました。

 

第1話と2話は無茶苦茶な事情聴取や裁判やらに腹を立てずに見るのが大変なんですけど、3話からは涙なくしては見られない奥深い世界が広がりますよ~。

その後は4話のクライマックスまであっという間でした!

 

*ここからはネタバレ有の感想です。

 



 

どこまで実話なんだろう・・(ネタバレ)

コーリーが服役中に偶然出会って喧嘩した男が真犯人だったって、そんなエピソードも本当なんですかね?

自分は無実だという信念を曲げずに仮釈放を棒に振り続けるコーリーに感銘を受けて自白したって、嘘みたいな話ですよね。

宗教に出会って変わったとはいえ、あんな壮絶暴力を平気な顔で振るう男(恐らくサイコ)が「自分の罪は自分で償う」なんて言うようになるかなぁ・・。

 

それにしても真犯人は驚くほど若くて普通の男でしたね。

もっと目つきの悪い大柄な凶悪犯風情を想像してたので驚いたわ。

ただいずれにしても、真犯人が名乗りを上げたのがきっかけで5人の無罪が確定したのは真実でしょうから、そういうことがあったんでしょうね。

 

それにしても4話のコーリーはもう泣けて泣けて仕方なかったです。

あのゲイの兄(姉)の話がたまらない!

その彼が死んだことで目を覚ます母も人間臭くて良かったし。

それに、彼を少しでも助けようと気にかけてくれた看守がいたことも救いになりましたよね。

 

それにしてもコーリー役のジェロームが本当に良かった!

最後にご本人さんたちが登場してましたけど、実際の彼らに会って役作りしたのかなぁ・・。

それともジェロームが一人であそこまで膨らませたのかな・・。それだったら凄いな。

 

ヒーローも名言もないけれど・・(ネタバレ)

振り返ってみると、誰もヒーローのような人はいませんでしたね。

彼らを救うスーパー弁護士がいた訳でもなく(頑張ってはいたけど、驚くほど淡泊だった)、5人の中にも飛びぬけて勇敢な少年がいた訳でもない。

彼らが冤罪で投獄されても、立ち上がった家族や活動家はいなかったし・・、いたのはどこかに良心を置き忘れてきた力のある大人たちと、愛情や善意はありながらも非力で無力な大人たち。

それから、彼らに振り回されながらも自分を見失わずに耐え抜いた少年たちでした。

 

それに、いわゆる名言を吐くようなベタなシーンもなかったのが逆に新鮮で良かったですね。

3話と4話では映像は極めてエモーショナルで、彼らの内面を鮮やかに描写しているのですが、それを敢えて言葉にするシーンはなし。

最後も表情の明るくなったコーリーが(全身白だし!)あの日彼女と楽しい時間を過ごした店にふと立ち寄るだけで終わっています。

 

「ショーシャンクの空」のモーガン・フリーマンには、希望に胸を膨らませたラストにいいセリフがありましたよね。

確か「Get busy to die or get busy to live. I live.」でしたっけ?

あれもよかったけど、こういう見せ方も余韻があっていいわ~。

 

あ、でも名言自体は探せばあったかな。

例えばケビンのお母さんが、罪悪感に苦しむ姉に言ったというセリフ「罪悪感は怠け者のエネルギー」というのも、愛情たっぷりで良かったなぁ。

 

よほどトランプが嫌いらしい(ネタバレ)

差別的な尋問を続けた刑事や、偏見に満ちた女ボスらを徹底的に糾弾するように描く一方、トランプも結構強調されてましたね~。

わざわざ当時の映像まで引っ張りだし、相変わらずなトランプさんをこれでもかってくらい見せてました。

そんな彼が今大統領ですからね・・。(しかも発言内容全く変えずにってのが驚き!)

 

ちなみに現在のアメリカでは取り調べの可視化が進み、ほぼ100%ビデオ録画がされているって、確かケント・ギルバートが「虎ノ門ニュース」で言ってたっけ・・。

ただ日本はまだそこまで進んでいないそうです。

怖いですよね。

特に日本だと警察の捜査権限が弱いし、誤認逮捕を異常に恐れるので、捕まえたらなんとか自白まで持ち込みたい!と必死になる傾向があるそうです。(自白偏重主義)

最近では長時間の取り調べが人権侵害だと言うゴーン氏の件も話題になりましたしね。

 

それにしても、リンダ・フェアスタインとかも実名で出しちゃってるところが凄くないですか?!

さすがにこの方は2002年に検事局を辞めているようですが、ベストセラー作家として結構有名で、犯罪小説で色んな賞を獲っているらしいのですよ。

複雑だわぁ・・。反省したのかしら。

この事件も勝手に妄想して、自分で筋書き書いちゃってましたからね。

 

というわけで、こんなところでしょうか・・。

はぁ・・。久しぶりにいいドラマ見たわ~。

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