「パトリック・メルローズ」カンバーバッチ渾身の演技に泣き笑い!最終5話まで見たA感想

「パトリック・メルローズ」

アニスです。前半は登場人物とキャスト紹介とネタバレなしの感想、後半はネタバレ感想です。

ベネディクト・カンバーバッチ主演で高い評価を得た「パトリックメルローズ」を最終5話まで見ました。

はぁ~、もう切な過ぎてしんどかった~。

泣いたよ~。感動~。

 

2話で幼いパトリックが父から受ける虐待があまりに酷くて見ているのが辛かったんですけど、頑張って最後まで見て良かったです!

成人してからも七転八倒で苦しみ続けるパトリックに関しても、ずっとじんわり涙を滲ませながら見守る形になりましたけど、それでも最後に彼がたどり着く場所に・・っとそれはネタバレになるから言えないのかな。

 

目次

【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。

また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)

「パトリック・メルローズ」登場人物とキャスト

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主人公のパトリック・メルローズ。金持ちのボンボンでプレイボーイ。

子供時代に受けた虐待の記憶に苦しみ、ドラッグに溺れる日々を過ごしている。

 

ベネディクト・カンバーバッチってイケメン俳優として凄い人気なんですよね?ちょっとカメレオン系の目の離れたお顔ですが、コメディタッチも器用にこなしながら不安定で脆い内面も上手く表現しています。

ヒュー・グラントの軽さと、コリン・ファースの繊細さを同時に表現できる役者さんて感じ?

 

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パトリックの父デビッド・メルローズ。

ご存知「マトリックス」で繁殖しまくってたサングラス男、ヒューゴ・ウィーヴィング。

怖い・・。周囲の大人たちもビビる傲慢さ。

 

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パトリックの母エレノア・メルローズ。アメリカの起業家の娘で金持ち。

うわ~、ジェニファー・ジェイソン・リーも今年57歳ですって!

若い時から性格派女優でしたけど、キュっと結んだ薄い唇の向こうに女の怨念を感じさせるお人ですね。

今回は老婆を嬉々として演じてましたけど、完全に振り切っていてアッパレ!でした。

 

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パトリックを支える友人・ジョニー

いいなぁ、こういう友達欲しいわ。

 

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パトリックのセフレ?時々登場する女友達ジュリア。

 

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父の友人ニコラス。

 

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ニコラスの恋人として上流社会にデビューしたブリジッド。

その後、男を変えてのし上っていく。

最近注目のイギリスの女優さん、ホリデイ・グレインジャー。乗りに乗ってます。

 

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メルローズ家の友人、アン。

演じるのは「ゲーム・オブ・スローンズ」のエラリア役、インディラ・ヴァルマ。

味わいがなんともいえない。

 

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メアリー。性格良しの堅実派。

 

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パトリック少年。

可愛いし、か細いしでもう虐待されるのがたまらなく辛い・・!

子役の彼がすごい集中力で演じ切り、「刑事ジョン・ブック 目撃者」の子役ルーカス・ハースを思い出した。

 

「パトリック・メルローズ」全5話の簡単な時代設定とあらすじ

全5話の構成について知ってから見るとより分かりやすいかと思います。なにしろ5冊ある長~い原作をぎゅっと5話にまとめたドラマということで、時代は飛び飛びだし、一瞬分かりにくい部分もありましたので・・。

 

第1話はパトリックの青年時代、1982年のNY

ロンドンで父死亡の知らせを受けたパトリックがNYに遺灰を引き取りに行くエピソード。

かつての悪夢が蘇りパニック状態に陥る金持ちプレイボーイのバタバタ悲劇をコミカルな演技でカンバーバッチが好演。完全な独壇場でした。

 

第2話はパトリックの幼少期、1967年の南フランス

家族でバカンスに訪れた南フランスで起きるつらい夏の出来事。

壮絶な虐待の様子には、見てるこちらが居たたまれなくなるほど・・。

演じる少年役の子がまた凄い演技を見せてくれます!

 

第3話はパトリック回復期にある青年時代、1990年のロンドン

虚飾に満ちたロンドン社交界を痛烈に皮肉るエピソードの中で、相変わらずもがき続けるパトリックを描く。そんな彼にもある変化が・・。

 

第4話はパトリック中年時代、2003年の南フランス

自分の家族を連れて再び訪れる南フランスの母の家。

ここでまた一騒動が起きるのですが・・。

 

第5話はパトリック中年時代、2005年の南フランス

母の死をついに迎え、この区切りをパトリックはどう捉えるのか・・。

彼の下した決断とは・・。

 

実力派キャスト陣が結集した珠玉の人間ドラマ

弱い者、強い者、卑怯な者、誠実な者、欲に負ける者、無欲な者、愛される者、愛されない者、満たされる者、満たされない者・・。

一人一人がその役柄を通じて強烈なメッセージを放っていて、自分はどの人に近いだろ・・なんて考えながら見ると一層面白くなるかもしれません。

お勧めです!!

 

*これから先はネタバレ感想です。

 

「パトリック・メルローズ」のネタバレ感想

再生への道は緩やかに緩やかに・・

決してフェアとは言えない不幸な運命に見舞われ、体を真っ二つに割かれるような恐怖を味わってきた少年がその後の人生をどう生きるのか・・。

常にまとわりつく過去への恐怖と父への憎悪を振り切りながら、どう生きる目的を探していくのか。

再生への道は決して劇的なものとは言えず、嫌になるほどの時間を費やしながら緩やかい緩やかにその時を待ちます。

ほんの少しの勇気と立ち向かう決意、日々の努力に愛する者たちからの支え・・。

そうした欠片が少しずつ彼を融和し、ある地点に達したところで、初めて過去からの幻影に別れを告げることができました。

 

最後にパトリック少年が言うセリフ

追い込まれ、恐怖に震えるパトリック少年が勇気を振り絞って父に言うセリフ。

Nobody should do that to anybody else.(あんなことしちゃいけない!)

というのは、第一話でパトリックが高飛車なマリアンヌとデートしてる時に出てきたセリフでした。

「もし生前のお父さんに言葉をかけることができたら、何て言う?」と聞かれ、ラリっていたパトリックは馬鹿正直に、

「あんなことしちゃいけない。」と答えますが、マリアンヌはウェイターに話しかけていて聞いていない・・という。

それと、2話でジョニーに告白した時にも同じセリフを言っていました。

長年、どうしても言いたかった言葉をついに父親に言えたことは大きな前進になりそうですね。

 

母の限界

中年になったパトリックが「父親から性暴力を受けていた」、とようやく打ち明けると、「アタシもよ!」と憤慨したように言ってましたね。

残念ですけど、こういう人っているんですよね。

母親としての立場より、自分の事に精いっぱいな人。

自分が大好きな割には自己肯定感に乏しく、人の注目を浴びることでしか自分を満たすことができない人。

子供と同じレベルに堂々と立っちゃってることに気が付いてないのが何とも悲しい・・。

晩年にやけに慈善事業に精をだしていたようですが、そうして周囲にチヤホヤされても結局最後には誰も残らず、孤独に耐えきれなくなると「死にたい」と息子を困らせ、散々手を焼かせた挙句に「やっぱり止める~」という・・。

うーん、私もこういう婆さんにだけはならないように気を付けなくちゃ。

 

手放したパトリック

あのお城のような南仏にある家を手放すって相当の覚悟ですけど、散々騒いだ後には結構サクッとやってみせてました。

結局は本人も言っていたように、執着していたのは母から愛されていたとう証拠であって、家そのものではなかったようですしね。

母からの愛を求める気持ちを断ち切るにはもう少し時間がかかっていましたが、それでも最後には本当に大事な人を選びきってみせました。

結局あのジュリアもパトリック本人には大した関心がなかったようで、彼が貧乏アパートに住むようになると、「こんなところでは気分がでない」と去って行きました。

 

そして、あれほど中毒患者の互助会には出ない!と意地を張っていたパトリックもようやくプライドも手放し、また参加した時には拍手されちゃってましたね。

女への執着も最後の最後に断ち切り、元妻へ電話をするという正しい決断ができた時に、ようやくその時がやってきました。

 

選んだ女性は正解だった!

メアリーですけど、見た目も性格も地味ながら素晴らしい人でしたよね。

彼女は静かに深くパトリックを理解し、常に見守ってくれる存在でした。

ただ、幼い子供を2人抱え「アル中旦那の面倒はもう見切れない!」となった時には見事にいいタイミングで三行半を突き付けてたなぁ・・。

その愛と厳しさの見事なバランスでパトリックを真っ当な道に引き戻してくれました。

あのお葬式の日、別れる場面で結構しっかり口にキスしてましたもんね。まだパトリックを愛してそうだし、子供達もパパが大好きとなれば、やがてまた家族を取り戻せそうですね。

 

という訳で、そんなところでしょうか。

本当、人生て長いようで短いようで・・、あっという間ですよね。

皆さん、頑張りましょう~。(ってなんのこっちゃ。)

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