サスペンス

Netflix「カリフェイト」ISISテロの恐怖を内側から描く秀作!ネタバレ有無感想・解説

カリフェイト ネタバレ感想

Netflix「カリフェイト」、前半はアニスのネタバレなしの感想で、後半はネタバレありで感想・解説書いてます。

 

今年の3月頃になりますが、Netflixで配信されたスウェーデン作の「カリフェイト」が面白い!という声をツイッターの方でチラホラ目にしていたんです。

海ドラ通の方で「今年のベスト10」にリストアップしてる人もいるし、これは私も見なければ!とようやく後れを取って視聴。

スリル満点で確かに面白い!

背筋がゾゾーっと凍る恐怖の連続でした。

スウェーデン作品なのでド派手さはありませんが、コーランさえ知らなかった若者が過激思想に心酔し、あっという間にジハードの実行犯に担がれていく描写がとにかく生々しくて恐ろしい!

 

この作品ではISISによる若者洗脳の手口とジハードへの流れが多角的に描かれますが、登場人物たちの立場は大まかにこの4つです。

シリアのラッカから娘を連れて逃げ出そうとしているぺルビン

自身も夫フサールもスウェーデン人だが、夫が宗教的に洗脳され、ジハードに参加するためシリアに連れて来られてしまった。

身の危険を感じスウェーデンに戻ろうとしているが、女は携帯を持つだけで殺されるような世界。

高校時代の恩師をつてに、公安警察のファティマとコンタクトを取っていく。

 

組織の中で孤立しているファティマは、ぺルビンからの情報を頼りにテロを未然に防ごうと奔走する。

手柄を立てようと必死で手段をいとわない。

 

YoutubeやSNSで徐々に過激思想に染まっていく少女たち。(スレ、ケリマ、リーシャ

ISISの勧誘担当に目を付けられると、あっという間に巧妙な手口で洗脳されてしまう。

 

少女たちの親の苦悩もしっかり描かれます。

娘達の心が離れていくのを知りながら、手も足も出せない無力さには子を持つ親なら誰しも同情しちゃいますよ~。

 

あまりに恐ろしくて信じがたい話ですが、これが実際に起きていることですからね。

パリの同時多発テロにしても、実行犯の多くはベルギーやフランスで生まれ育った若者で、刑務所などで過激思想に出会い、中東で訓練を受けたのち母国でテロを実行したと言われています。

フランスには貧富の格差や人種差別が根強く存在し、イエロージャケット運動などもいまだに収まらない状況ですが、スウェーデンのように比較的社会保障が行き渡っている国でも少年少女たちの心の隙を上手く突いて洗脳していく様子がまたリアルで末恐ろしいのです・・。

 

「カリフェイト」予告編

Caliphate Netflix (Official Trailer)

 

 

ぶっちゃけ、スウェーデンの女捜査官のファティマには全然共感できないんですよね~。

ぺルビンが必死に助けを求めてるのに冷たいし、傲慢だし、自己流でゴリ押しして周囲のヒンシュク買いまくり。

 

でも、シリアから逃げたくて必死にスパイ活動を続けるぺルビンは健気に頑張っている気丈な女性。

日々暴力的な男たちに抑圧されドローン攻撃におびえながらも、娘と平和な世界に戻りたいと機転を利かせ状況を切り開いていく彼女は全面的に応援しちゃいますね!

 

大きな目が印象的で意志が強く、なんとなく日本人ぽい雰囲気もあったりして親近感も持てる。

このぺルビンが異常な世界から赤ちゃん連れて脱出することができるのか?!

というのがまず注目の1点目。

 

それと、このまだまだ幼い少女たち3人。

彼女たちの運命はどうなるの?!

というのが2点目。

 

そして、最後はスウェーデン3か所で計画されている同時多発テロは防ぐことができるのか?!

というのが3点目。

この3つのハラハラポイントが終盤、奇跡的に絡み合い、物凄い緊張感で上り詰めていきます!

 

全8話ですが、後半4話はずっと釘付けであっという間。

気付いたら怒涛のクライマックスを迎えてしまいました。

最近のNetflixには興味惹かれるドラマがないなぁ・・という方にはぜひおススメしたいスウェーデンの隠れた秀作です。

IMDbは8.2ですよ~。

 

*これ以降はネタバレ感想と解説です。



「カリフェイト」のぶっちゃけ感想と、ネタバレ解説

はぁ、凄かった~・・。

なんの前情報もなく見たので、あの可愛い姉妹があれよあれよとシリアに連れていかれちゃう場面ではもう完全に親目線ですよ。

ゾゾゾっと背筋凍りましたからね。

だって、13歳と15歳でしょ?

そこまで愛情たっぷりに育てた娘が自分達の世界から一瞬で消えてしまうなんて、まさに悪夢。

うちも娘2人なので、もう他人事とは思えませんでした。

あー怖かったよ。そしてあのラストって~!!

 

というわけで、気になる部分からどんどん行ってみましょう!

 

やめて~!13歳のリーシャが~!!!

最後に凄い鬱展開が待ち受けてましたね。

まさかのまさか!

命がけでぺルビンが助けようとしたリーシャが土壇場で裏切り、結果的にぺルビンが撃たれてしまうとは!

洗脳の恐怖を最終的に見せつけた形になりましたね。

まだ心の形成が出来上がっていない幼い少女の洗脳に「神」や「天国」が絡むとこうなってしまうのか・・。

ただ単に「豊かな暮らしが待っている」「お城のような家に住める」というホラ話を信じて付いて行っただけなら現実を見た時に洗脳は解けそうなものですけど、そうじゃないんですね~。

恐ろしい・・。

ずっと反抗的だったスレは最終的に洗脳が解けましたけど、まだ幼いリーシャはスポンジのように善も悪もなくスーッと過激思想を吸い込んでしまうので親に関しても割り切りが半端なかったですね。

 

はぁ・・結局親ができることってないんですかね?

私が思いつくのは、まだ親への信頼が厚く耳を傾けてくれる時期にしっかり話しておくことしかできないのかなぁ・・と。

奴らに付け入る隙を残さないほどに自分達の価値観で正義を説いておく。

まぁ、それもある意味洗脳なんですけど、「教育」の名を借りて、ある程度のイデオロギーを形成しておくしかない気がします。

 

ぺルビンが~!

アメリカ産じゃないので、ある程度シビアなラストは覚悟してましたけど、まさかまさか・・。

ぺルビンだけは助けて欲しかった~。

その前に脱出のチャンスがあっただけに見てる方のショックも大きい・・。

「娘の匂いをかがせて・・」と静かに息を引き取る場面に号泣・・。

夫フサールの慌てふためきようにまた呆れるし・・、「だーからお前が目を覚ますのが遅いんだって!」という突っ込みも虚しく、厳しい現実をひたすら突き付けられるのでした。

 

それにしてもぺルビン頑張りましたよね。

あれだけ怯えていても、大事な場面では決して恐怖に負けなかったし、フサールの扱いに至ってはもう「お見事!」の一言!

とはいえ、素人同然の彼女があれだけ情報を集められたのも、フサールの天然ボケっぷりに助けられた部分は大きかったと思います。

 

夫フサールのボケボケぶりがあり得ない!

いや~、もうフサールさんのキャラ最高でしょ!

なんでファティマがあんな彼に恋に落ちたのかは謎ですけどね。

アハメドの死体を処理中、ふら~っと起きてきたフサールに血痕を見られてしまった時には「うわ~、ついに終わった~!」と思いましたけどね。

なんと!

「夢を見てるのよ。血なんてないわ」で押し通しましたからね。

いや、ボケボケでもそりゃ無理だろう~!と笑っちゃいましたよ。

(結構上手く行ったけど。)

その後、家具の後ろの壁に残っていた血を発見した時には「やっぱり俺が殺したんだ~!泣」って・・、そんなオチあり?!と愕然ですよ。

さすがフサールさん!

 

大体ぺルビンもこの夫のことをどう思ってるのか全然わからないところが面白いんですよね。

必要があれば簡単に捨てる覚悟はできてるようだけど、引き込んで一緒に逃げる方が得策だと判断したら、やっぱり連れて行ってあげたいという多少の情はあったみたいです。

 

ちなみに、なんでこんなフサールがISISに勧誘されたかですけど、元々旅行会社で働いていたそうで、その辺の知識が豊富だったみたいです。

組織の情報収集担当だったので、彼のノートには何でも書いてあったんですね。

それをぺルビンが盗み見てファティマに伝えていた形になりました。

 

それにしてもぺルビンは助けて欲しかった。ファティマなんてどうでもいいから、彼女だけは平和な世界で娘と暮らしてほしかったわ。

 

ファティマの孤軍奮闘は無意味に終了~

ファティマって女性から見ても共感度ゼロでしたね。

ぺルビンに対して「旅行代理店じゃないんだから、何もしないでは助けられない。」なんて平気で言うし、リーシャに関しても「自分の意志で行ったんしょ?」なんて言って恋人のカルをドン引きさせてましたよ。

そもそもカルも、なんであんな女がいいのかしら。

カルに関しても利用するだけ利用してって感じでしたよね。

まぁ最終的には身を挺してリーシャもぺルビンも助けようとしたのでいいんですけどね。

 

それにしても、保安警察は始めからすべてを知っていてテロを実行まで移させようとしてたんですね。

「未遂の段階で逮捕しても3年で刑務所から出てしまう・・」なんて、あの上司のナディールはもっともらしく言ってましたけど、自分達の活躍を華々しく世間にアピールしたいと思惑もあったんじゃないですか?

その後の予算も付きやすくなるでしょうし。

ただ、ファティマはその辺の内部の事情に従うタマじゃない・・ってことで、前科もあったので外されちゃったんですね。

 

ちなみに彼と内通者のアブジブリールの関係などについて皆さん分かりました??

その辺がちょっと分かりにくかったんですが、整理してみました。

 

内通者アブジブリールとは!

このヤコブ・エミール兄弟を洗脳していたおじさんですね。

 

フサールも彼が宗教上の師だったそうで、ぺルビンからその事実を聞いたファティマがネットで彼のことを調べ、自宅で宗教活動をしてる自宅を見張ってました。

そこで目にしたのがナディール。

ナディールがなぜ?!

という疑問を抱きつつ、ファティマは結局ドロリスの件で逃亡者として手配されてしまったんですね。

ちなみにこのドロレスを襲ったのは、ヤコブでした。(ナディールによると)

ファティマはあの兄弟を付けていたので、どっかでバレちゃったのでしょうかね。

なんとなく正体のバレたイベが怪しい感じでしたけど、どうなのかな。

 

焦ったファティマがアブジブリールの自宅に押し入った時にも、本人はスッとぼけてましたね。

2年前にアディールが寝返らせ、その後もこのアブジブリールの存在を知るのはアディールだけだったとか。

奥さんはスウェーデン人ぽいし息子も年ごろだし、寝返りそうな要素ありますね。

 

そして最終的にテロは3か所で起きかけたものの、被害者が出る前に制圧!

見事公安警察のお手柄となったのでした~。

 

それでも止められなかったイベの抵抗

最後のリーシャとファティマの件も残念でしたけど、ケリマに関してはもう悲痛としか言いようのない最期でした。

イベの奴も卑劣極まりない臆病者!自爆したいなら自分で行け~!と頭に来ましたよ。

しかもトイレに閉じこもったケリマを爆破しなくたっていいじゃないですか。

既に彼女は警察に拘束された身で、素性もイベとの関係も知られてるし、それ以上たいした情報だって持っていなかったでしょうに。

 

何とも言えない鬱エンディングとなりましたが、これが現在進行形で起こっている世界の真実なのだなぁ・・と。

やはりここにハッピーエンディングを盛り込むのは無理だった気もするし、現実味のないおとぎ話に変えてしまったら問題提起として弱くなってしまうでしょうしね。

でも、ズシンと心に響く作品として完成度は高かったと思います

とても他人事とは思えない少年少女達の運命に心を痛めた生々しいスウェーデンのドラマでした。

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