アニスの今日の海外ドラマ

海外ドラマ25年、国際結婚15年のワーキングマザーです。Netflix、Hulu、アマゾンを中心に感想・考察書いてます。

「ザ・テラー」圧倒的なリアリティと深い人間愛に感動!最終(10)話まで見た感想

f:id:Annice:20180423002925j:plain

*冒頭だけネタバレなしで大まかな感想。注意書き以降はネタバレ感想やwikiで知ったへぇ~な情報も書いてます。

アマゾンプライムの「ザ・テラー」、これまで怖い、怖いと言いながら見てきましたけど、この感動はなんでしょう・・。

なんだかいい映画を見終わった後のような充実感・・。イーサン・ホークの「生きてこそ」を見た時の感動に近かったですね。(こちらは飛行機墜落事故の犠牲者達が雪山で身動きが取れなくなりサバイバル。全員ではないものの最後は奇跡の生還を果たす)

スポンサーリンク
 

 

それに、あれほど凄惨な残酷描写を目にしながら、ほとんど下劣なものを感じなかったのも不思議ですよね。

例えばエイリアンを見て「下世話だわ~」という人はいないじゃないですか。あんな気色悪いモンスターが腹から飛び出すというのに「美しい」「名作」と言われてますよね。

私はホラーに詳しくないのですが、やっぱりこうした名作ホラーを描くのには揺るぎない信念と深い人間描写、リアリティと美しい映像、そして本物の役者達、こうしたものが揃わないと成立しないのかなぁ・・と。

 

極限に置かれた人々が限られた物資、仲間たちとどのようにかかわり、尊厳を保っていくのか・・。

極限状態を残酷なまでに生生しく描きながらも、一方で人としての尊厳や友情などもキメ細やかに描かれていて、静かながら胸に迫る感動がありました。

f:id:Annice:20180404132339j:plain←アマゾンプライムで見れます。

 

人間描写が秀逸! 

このドラマの素晴らしいのは、全体のストーリーやホラー要素だけでなく、それぞれのキャラの掘り下げ方が緻密で繊細。短い登場シーンの中ににもしっかり人間が描かれていることですよね。

フランシスを演じたジャレッド・ハリスがインタビューで、「一人一人のエピソードにリアリティと整合性があるのが素晴らしい」と話していましたけど納得です。

 

ただ、なにぶん登場人物が多い上に、帽子かぶってたり髭が生えてたりでキャラの見分けが付きにくい・・!

メロドラマ的な大袈裟な描写で語るのではなく、まるでドキュメンタリーを見ているかのような淡泊な描き方なので、一度見ただけでは誰が誰だかわかりにくい部分もありましたよね。(2回見たら結構分かりました。)

と言う訳で、印象深かった人物を少し振り返ってみたいと思います。

 

*ここから先はネタバレ感想になります。

スポンサーリンク
 

 

ジェームズとフランシスの友情に泣けた

何が感動的って、この2人の友情ですよ!

最初は全く反りが合わずにお互いを煙たがっていましたが、ジョン隊長が死に、事態がフランシスの懸念していた通りに悪化するとジェームズが彼に対しての考えを変えていきます。

その後、酒を断ち、艦長としての責務を果たそうと全力を尽くすフランシスに尊敬の念を抱くようになり、ジェームズも信頼のおける片腕として最後まで勇敢に戦い抜きます。

そして篤い友情で結ばれた2人は兄弟の契りを交わし、フランシスはジェームズの最期を見届けるのでした・・。

「俺は偽物だ・・全ては虚栄だった。」と、自身の出生の裏話や孤独な心の内をフランシスに告白するジェームズは、武勇伝を披露していた男とは別人のようで涙がでました。

そんな彼を包み込むフランシスの友情がまた温かい・・。

 

1話で、「清との戦争で撃たれた弾が腕を貫通し、胸まで届いたのを取り出して助かった」と話していましたが、その古傷がまた傷んでしまったようでした。

 

ブランキーがカッコよすぎる

最初から最後まで彼が一番クールでしたね。

彼は極地探検だけでなく、今回と同じように船を放棄し徒歩で生還を果たした経験のある貴重な水先人ですので、フランシスもブランキーを一番信頼しているようでした。

ただ最後はやはり切断した脚が化膿してしまい、フランキー達に逃げる時間を与えるために、自身を囮として犠牲になることに・・。

あのフォークは意味があったんですかね?あったと思いたいです。

 

そして、最後に死を決めた場所で念願だった北西航路を発見したようで、歓喜の雄たけびを上げていました。

よかった~!納得の死に際で、最後までクールに決めました!

 

ジョプソンの最期が悲し過ぎる・・。

フランシスの世話係として忠実に、誠意を持って尽くしてきたジョプソンでしたが、最後は力尽きフランシスに世話をされて心苦しそうでした。

常に温かい視線でジョプソンを可愛がってきたフランシスでしたが、その直後にヒッキー達に捕われ、彼の最期を見届けることができませんでした。

あれだけ「部下を決して置いて行かない・・!」と固く誓っていた艦長に裏切られた・・と悲しい勘違いをしたまま死んでしまったジョプソン・・。

うーん、悲しい!

彼の遺体を見つけた時のフランシスの無念を想うとさらに悲しいです。

 

フランシスの決断

最後は完全に彼の物語でしたね。

前半は失恋の痛手からか(家柄が原因というのが悔しい)酒に溺れ、投げやりな姿勢で現実逃避気味でしたけど、酒を断ってからのフランシスは本当に素晴らしかった!

艦長としての責任に目覚め、部下たちを思いやる姿勢と一人も後に残さないという覚悟と勇気に痺れました。

 

そうして結局のところ全力を尽くしたにも関わらず、部下を守り切れずに全員を失ってしまったことの無念さ、後悔、罪悪感、そして深い絶望・・。

それらを背負いながらは、やはり故郷イギリスには戻ることができませんでしたね。

イヌイットとして生きる覚悟を決め、ジェームズ・ロスが2年後に救助に来た時も、その気持ちは変わらなかったようです。

 

最後のあの静止画のようなシーンはなんとも不思議で趣がありました。

色々解釈がありそうですけど、私は彼がイヌイットとして生きる姿をそのまま表現したらあんな絵になった・・という感じなのかなぁ・・と。(想像ですが。)

彼に寄りかかり眠る少年の安心しきった表情から、フランシスを信頼しきっているのが分かるし、力の抜けたフランシスの顔もありのままに生きるイヌイットの男そのものに見えました。

そして氷に覆われた世界に日が昇る描写の美しいこと・・!

もちろん、こうしてイヌイットに受け入れられたのも、彼の人間性あってのものでしょう。

 

狂気に苦しんだコリンズ

f:id:Annice:20180421221505j:plain

1話で友人が海に放り出され、助けに飛び込もうとしたものの、止められた男気のある人物。

その後船の下にもぐってスクリューから氷を外すという危険な任務にも志願し、見事除去に成功。

ただ後半になると鉛中毒から精神に異常をきたし、最後は怪物の犠牲となってしまいました。

スポンサーリンク
 

ヤングの指輪の謎

一度目は全く気が付かなかったんですが、この指輪はヒッキー達がヤングの遺体を埋葬した時に、上蓋が外れたのをヒッキーが直すフリをして下に降り、遺体から盗んでいたんですね。

その次のシーンでは、指輪をヤングの指から取り忘れたグッドサーが「ハッ、しまった」とする表情が映されています。

その後、肉体関係のあったギブソンに上官たちの情報を盗むよう、ヒッキーがこの指輪を使って買収。

終盤、衰弱したギブソンがヒッキーに殺され、解体を余儀なくされたグッドサーが彼が首から下げていたこの指輪を発見・・。という流れでした。

最後、フランシスにヤングの妹に届けるように頼もうとするグッドサーがヤングの名前を思い出せなかったのはどうしてでしょうかね・・。それだけ病に侵され状態が悪かったのか。

 

航路と閉じ込められた場所

こちらはWikipediaから拝借しました。

f:id:Annice:20180421230325p:plain

「1845年夏、グリーンランドのディスコ湾(5)からビーチー島に向かい、コーンウォリス島(1)を周回した。翌1846年夏、プリンスオブウェールズ島(2)とサマーセット島(3)の間のピール海峡を下ってブーシア半島(4)の西へ出て、キングウィリアム島(緑色)近くに至ったが氷に閉じ込められた。」

 

その他、wikiで見つけたへぇ~な 事実

*ビーチー島に埋めた3人の死体がその後発見され、解剖されているが、死因は肺炎、恐らくは結核であったと推測されている。

 

*鉛中毒は缶詰の鉛のはんだ付けが雑だった為、食品に触れ溶け出したものと思われる。しかしその後、この鉛の出どころは缶詰の食料ではなく、遠征隊の船に取り付けられた水の蒸留装置だったことが示唆された

 

*実際に船を放棄するまで、氷に閉じ込められたいた期間は1年7か月。

 

*キングウィリアム島で見つかった人骨の切断面からは、人肉食を行った痕跡がみられた。

 

こうして分かった事実と照らしてみても、ドラマがかなり忠実に再現されているのがわかりますね。

クリエーターたちが繰り返し「実在の人物がいるのだから、尊敬の念を持ってリアリティに徹しなければならない」とインタビューで話していましたので、その辺の検証も厳しくされているようです。

 

以上、思いつくまま感想を書いてみましたがどうでしたでしょうか?

2度目、3度目と見て行くと、一度目には気が付かなったエピソードやナイスな隠れキャラも見つかりそうですよね。

また気が付いたらコソッと書き足していきたいと思います。

 

久しぶりにズーンと重い作品を見せてもらいました。

なにより役者たちが素晴らしかったですね!本当に「ゲーム・オブ・スローンズ」もそうですけど、イギリスの役者さんたちのクオリティと層の厚さには驚かされます。

また、こんな面白いドラマが見れるといいなぁ・・。

と言う訳で、大満足の感動ホラー「ザ・テラー」でした!

 

【追記】シーズン2への更新決定!

これは嬉しいニュース!

でも、やっぱり全く別の設定での物語になるそうで、なんと次回は戦時中の日系コミュニティ!うわ、メッチャ怖そう!!

史実だけでも恐ろしいところへ、架空のホラー要素を絡め、映画的な映像と緻密なキャスト陣の共演で壮大な世界を描くというコンセプトはしっかり引き継いでいくそう。

楽しみだわぁ・・。

こういう質の高いドラマが続いていくのはワクワクしますね!