
アニスです。「セレニティー: 平穏の海」前半はネタバレなしの感想で、後半はネタバレ全開で突っ込んでます。
数日前にNetflixで配信が始まったらしい最新映画ですけど、私は全く気が付きませんでした。
なんで大々的に宣伝しないんだろ・・?
やっぱり、やっちゃったよ~な結果だったから・・?
これについてはこの後詳しくご説明させていただきます!
「セレニティー: 平穏の海」予告編
マシュー・マコノヒーとアン・ハサウェイ主演の幻想的な映画・・。
まず、オープニングは美しい青い空に青い海。
そこで力強くマグロと格闘する一人の漁師。
何の前情報もなく冒頭を見た私は思いましたよ。
おぉ~、これは期待できそうだ!!と。
予告編を見る限りではサスペンススリラーのようだし、この主演2人がどれだけ互いを欺き、キリキリするような大人の駆け引きを見せてくれるのかが楽しみだわ~。
なんて思ってたら・・。
ん?5分10分地点で、怪しい男が一人・・。
安っぽい。
このメガネ君は誰?
勘のいい人ならこのメガネ君だけで警戒警報が鳴ると思います。
そして案の定・・。
その不安を裏付けるような要素が次々と。。
やっぱりか~、そっちか~~!
と予感的中!
全然サスペンススリラーじゃない!!
っていうか、これ何~!?
という感じで多少ズッコケる部分はありましたが、それでも私は最後まで見ちゃったんですよね。
マシュー・マコノヒーが好きだし、今回も雰囲気たっぷりに男臭い孤独な男を演じていてなんともセクシー!
アン・ハサウェイは元々あんまり好きじゃないし、今回もそんなに良かったとは思えませんが(明らかに染めたブロンドが変)、ダイアン・レーンもジャイモン・フンスーも出てるし、全体的にとてもB級映画とは思えない布陣なのです!
・・なんだけどねぇ・・。
批評家の評判も散々なようですが、逆にここまで聞くと「どんだけ酷いんだろ?」って見たくなりませんか??
最後のどんでん返しが特に酷評されてるようですが、私にはどんでん返しって感じでもなかったです。
後半の辺りから大方想像はついていたので・・。
それに実はですね、酷い、酷いと言ってるこんな私ですが、最後のシーンではちょっと泣いちゃいました。
ほぼ反射神経的にですが、ああいうシーンには弱いのです。
皆さんも、設定や背景を考えずに、真っすぐなハートで見れば泣けると思います!
まぁ、Netflixで見られる映画ですからね。
劇場まで足を運ぶ場合はさすがに「ぜひ見てください!」とは気軽に言えませんが、Netflixでちょっと見る分にはいいかと思います。
マシュー・マコノヒーとアン・ハサウェイの濃厚なセックスシーンもあるし、深く考えないで見れば感動的なところもありました。
好きな方は好きかもしれません!
ポイントは深く考えずにそのままを受け入れることでしょうか!
ぜひ、大きなハートで鑑賞してください!
*これ以降はネタバレありの感想です。
「セレニティー: 平穏の海」のネタバレ感想・考察
まず突っ込みたいことは!!
あの巨大マグロは何だったの?!!ってことですよ。
それ大事でしょ~。
あそこまでベイカーがこだわり、命を懸けて釣ろうとしていた相手ですよ?
ジャスティスという名前までついてましたからね。
私も松方弘樹のマグロ特番のような興奮が見られるのかとワクワクしてたんですけどね・・。(いや、そんなにしてなかったけど)
そのマグロ決戦は結局なし。
え?!どういうこと?!
っていうか、もし釣り上げてたら何が起こってたの?!!
この疑問を全て放り出し、物語は「ルール変更」という掛け声のもと、全然違う方向へ行ってしまうのです。
最後はマグロを取るか、暴力夫をころすかどうかみたいな雰囲気もありつつ、マグロはスーぅっと消えてしまいました。
急にサメも出てくるし!どういうこと!?
あの島は息子が作ったゲームの世界だった!
ちょっとちょっとー、かの大女優ダイアン・レインを猫を探すだけのおばちゃんにしないでよ~。(今年54歳ですが、まだ綺麗!)
それにジャイモン・フンスーも意味不明だったわ。
あのフンスーのキャラはベイカーのミッションを妨害するためのキャラだったってこと?
最後ベイカーに向かって「お前は善人なんだ。人ゴロしはダメだ」と言ってみたり、島のチンピラを使って暴力夫をボコボコにして釣りに出れないようにしたのも、そういう妨害工作だったってこと?
その割には味わいのあるオイちゃんだったし、ゲームの脇役キャラにはもったいないほどの熱演でした。
結局あれですよね。
元妻のカレンの髪色が不自然なまでに黄色だったのも、暴力夫が嘘みたいなアホだったのも、子供が作ったゲームの中のキャラとしてある程度マンガ的な味付けが入っていたってことなのかな。
そこのバランスも変でしたよね。
だってベイカー本人はしごく真剣で、それこそ絶望感まで醸し出してましたよ?
それに妻の方もなんか途中から性格変わってくるんですよ。
長年夫のDVに耐え続けてきたカレンが、最後はおバカ夫に酒を飲ましたり、下手な演技でノセてみたりして安々と操ってました。
途中までは酷く怯えていたのに、後半になると急に夫の扱いが雑になって妻のやりたい放題。
あの時点で緊張感は完全になくなってましたね。
というか、ゲームの世界と分かった時点で既に緊張感もへったくれもないので、どうでもいいんですけどね。
シリアスなトーンと漫画チックな安っぽいコメディが入り乱れて、どっちなのよ~!という終盤でした。
ルール変更ってなんのこっちゃ?
やけに「ルール変更」にこだわってましたけど、これも全然ピンと来ませんでした。
人生においても何かを示唆するような大事なメッセージなのかと注意深く見てましたけど、結局最後まで意味不明・・。
「善い目的のために、時には悪いこともするべき時がある」というのは分かりましたけど、そんなに有難いメッセージでもなかったですよね。
奇想天外な設定で映画を作る時には、何か強く訴えたい崇高なテーマが用意されてるなら多少は理解できるんですけどね。
この映画の場合はそれも「???」で参りました・・。
え~?入ってくるの?!!
息子くん、完全に殻の閉じこもってゲームの世界で生きてますよね。
マズいですよ。さすがにお勧めはできません。
だって、3歳の時にパパが戦地へ赴いて辛い別れとなった訳でしょ?
以降少なくとも10年は経っているようですが、その間ずっとパパを恋しがって、まだ立ち直っていいないっていうこと?!
これは長い!!
胸は痛みますが、さすがに不健康!
でもね、今回、長年DVに苦しむ母を解放してあげたい!
その為には自分が悪を犯してでも勇気を出して奴を倒したい!
と一念発起したことを契機に、「それには自分ひとりでは無理。パパの力が必要だよ。」
ということでゲームを作ったり、同調したりして父親の力を借りようとした・・。というならば理解できます。
それなら感動的だし、どこか別の世界にいる父親と一瞬繋がるのも奇跡でしょう!!
でも、そのゲームの世界に入ってきちゃったらダメだわ~!
DVの養父を勇気を出してころし、母を救ったその暁には、自分も心の扉を開いて、実際に外の世界に踏み出して欲しいのです!
父は夢のような島で巨大マグロを追い続け、息子は外に出て現実を生き始める。
2人はいつか、きっとどこかで会えるよね・・。
その日までさようなら・・。
というエンディングだったならば私は文句言いません。
だけどゲームの世界に入ってきちゃったら、今後どうやって現実世界に向き合えるの??
な~んて言いながら、二人が幸せそうに抱き合うシーンではやっぱり泣いちゃうんですけどね・・。(なんのこっちゃ?!)
うーん、やっぱりこのエンディングが一番分かり易かったのかな・・。
はい、という訳で、なんとも不思議な映画「セレニティー: 平穏の海」でした~。

