
*このアニス感想は3話までの内容に触れています。
「オルタード・カーボン」熱がかなり盛り上がってますね~。
SF好きにはたまらない「ブレードランナー」的なテイストで、圧倒的な映像とSFアイテムで盛り上げてくれますね。
確かに1話目はそんな要素だけで面白く見れました。
でもですね~・・。それ以降が続かない・・。
もう2話に入ってからは5分と続かなくって、何日もかけてよ~~~やく3話まで見終わりました。
3話までしか見てない身でこんな感想書くのも申し訳ないのですが、色々感じた部分でチャチャを入れさせていただきます。
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「オルタード・カーボン」面白要素は確かにある!
まず、「肉体の滅び=死」ではなくなった世界というのが面白い。(ただし、クリスチャンは死を選ぶ)
首の後ろにその人の意識や記憶を全て格納できるというスタックが埋め込まれていて(ここが大事って「進撃の巨人」みたいだわ)、これさえ無事なら、スリーヴという別の体に移し替えてまた生きることができるというもの。
特に金持ちは次々グレードの高いスリーヴを手に入れられるので、当たり前のように200歳、300歳と生き永らえます。
主人公のタケシ・コヴァッチ(なんつー名前)も肉体を破壊されてからも、スタックを保全され250年後に別のスリーブで生き返ることになりました。
このスリーブ、めっちゃゴージャスでしょう!
スウェーデン系の背の高いマッチョボディに、品のいい精悍な顔立ち。嘘みたいないい男!!
本人は顔を鏡で見て「うわ~!!!!」と悲鳴を上げてましたけど、「うっそ~!オリジナルに比べたらめっちゃアップグレードしてるやん!」と、思わず突っ込み入れましたよ。
元々コヴァッチはエンヴォイと呼ばれる特殊な傭兵らしいのですが、今回彼が生き返った理由というのが、とある富豪バンクロフトのからのご用命があったからなのです。
彼をコロそうとした人物の特定が彼へのミッションで、これを成功させたらそのままのスリーヴで自由の身になれるとのことでした。
基本的に金持ちは高い所で贅沢な暮らし。太陽の光に緑の木々・・。
貧乏人たちは下界の暗く汚いネオン街で希望のない生活を送っています。
こういう設定や小道具はまぁまぁ興味深くて面白い・・。
ただ肝心のストーリーが・・
なんといっても、大きな鍵となるのが「このバンクロフトをコロそうとしたのは誰!?」という「謎解き」ですけど、これがつまらない。
だってこの人死んでないんでしょ?
データのバックアップがあったおかげでまだしっかり生きてるし、誰がコロそうとしたかなんて、こっちにしてみたら究極的にどうでもいい話で興味が持てない。
「俺の頭を後ろからハタいたのは誰だぁ!?」位の感覚じゃないですか?
それこそ、30人近くもいるバカ息子やバカ娘の一人かもしれないし、吸血鬼みたいなビッチ妻かもしれないし、もう誰でもいいですよ。
キャラの魅力がいま一つ・・。
まずは申し訳ないんですけど、このコヴァッチさん。
あれだけの端正な顔立ちの筋肉マンで、低音ボイスにも恵まれながら、迫力が全くないのはナゼなのでしょう。
セリフも棒読みで、時々目が泳いじゃってるように感じるほど頼りない。
それに、セリフの内容的にはシニカルでコミカルな要素も入ってるはずなのに、それも表現し切れていないし・・。
作り手としては、「ダイ・ハード」のブルース・ウィリスみたいに、飄々と愚痴を言いながらも次々敵を倒していく渋い等身大ヒーローみたいなのを設定したのかなぁ・・と想像するのですが、あんまりコミカルには向いてないみたいで・・。
たぶんこの俳優さんは普段から生真面目で控えめな方なんだろうな~なんて思ってしまうし。
それに、ドラマ的に突き詰めれば、この人は本当は「タケシ」さんなんでしょ?そこがまず設定として想像しずらいわぁ・・。
それと女刑事のオルテガさんの魅力もいま一つ・・。
スタイルがよくて顔がゴツいのが目を引くけど、それ以外はありがちなラテンガールなイメージで軽いなぁ・・。普通にいそう。
これといった影や苦しみも感じられないのに、教会で突然泣き出したのには唐突過ぎて冷めちゃいました。
パートナーになるっぽい黒人の人も存在感ないし、娘の話も突拍子ないし、どうも盛り上がらないのです。。
金持ちのバンクロフトとその吸血鬼妻だけ妙な存在感があるけど、立ち位置があいまいで面白くない。
悪役ならしっかり憎めるし、危険な存在なら緊張感も高まるけど、今の所はそういう訳でもないただの脱ぎたがり金持ちで、何が目的かもわからない。
それになんであの妻はコヴァッチと急にセックスするの??
コヴァッチ的には彼女の何がよかったの?
強烈キャラだけど、ミシェル・ファイファーもどきの典型的な整形顔で美しいとは言えない気がするけど・・。もちろん、本当のミシェル・ファイファーなら分かるけど・・。
余談ですけど、彼らはスリーブを変えても親の2人は中年の姿で、子供たちは何十年生きてても若者なんですね~。
一つのスリーブを気に入って長年愛用する人もいるでしょうから、子供でもそのまま老人になるまで同じスリーブで、逆に親の方が若く見える・・っていうのもあり得そうですけどね。
それにバカ息子って70年生きててもバカ息子のままなんでしょうか・・。
その辺4話以降で説明あるのかな?
死なない設定で緊張感なし
「肉体が滅びても死なない」というドラマ本来の設定が緊張感を削いでますね・・。
そもそも、体が変わったら嫌じゃないですか?
そこはみんなOKとして受け入れてるのが不思議です。
それに死ななくたって傷ついたら痛いでしょ?
あの、格闘バトルで死ぬまで戦う夫婦ですけど、愛する妻にあんな痛いことできる精神構造が理解できません。
女を傷つける夫を見かねてコヴァッチが思わず手を出しますけど、結局夫を怪我させた上に、「死ななきゃお金がもらえない!」と嘆く妻のために最後コロしてあげてましたよね。
もう本末転倒すぎて訳わかりません・・。
究極の死はないにしても、やっぱり「肉体の死は限りなく恐ろしく、苦痛を伴うものだ・・」という大前提を放棄しちゃうと緊張感なくなりますね。
肉体が変わった相手を愛せる??
これもかなり違和感でした。
普通の世界だと、恋愛や結婚においては見た目が大きく左右するのは常識ですよね。
そりゃ精神を愛するのは崇高ですけど、顔も体も全く別人ならもう無理ですって・・。
このドラマでは体が変わっても夫婦関係が継続するのは当然のこととして描かれますけど、これができる人は少数派のようは気がします・・。
新しい設定と価値観に共感できない
こういう小さな違和感の積み重ねが物語に入っていけない大きな理由かもしれないです。
例えばコロし合いバトルショーで夫婦が殴り合っても、参戦したコヴァッチが傷を負っても、全くハラハラしないんですよね。
当然、彼を助けようとオルテガが銃を取っても「イエ~イ、カッコいい!!」とは盛り上がりません。
せっかくの見せ場なのに、無重力空間の視覚的な面白味しか感じないのです。
だって、本人たちがお金のために死にたがってる訳だし、コヴァッチも始めはまた眠りにつきたいとか言ってたし・・。
「ウエストワールド」でロボットたちがどんだけ無残にコロされても全く緊張感を感じなかったのと似てますね。
やっぱり未来の姿が変わっても、死や苦痛への恐怖だけは残しておいてくれないと、何もかもがどうでもよくなってしまいます。
日系が多いのが懐かしい・・
余談ですけど、
最近はドラマや映画で見かけるアジア人といえば韓国人か中国人になってしまいましたけど、昔はハリウッド映画でも日本人をよく見かけましたよね。
このオルタード・カーボンの原作が発表されたのが2002年ですので、ギリギリその世代なのを感じますね。
そこが逆に古臭いんですけど、日本人としてはやっぱり嬉しい。
でも、コヴァッチは日本人とスラブ系のハーフって言ってましたっけ・・?完全に日本人に見えるなぁ・・。
外国人の話す下手な日本語も久しぶりに聞いた~。
意外にもバンクロフトのバカ息子が一番上手かった。「たとえだよ、たーとーえー」
なのに肝心のタケシったら、何言ってるかわからなくて字幕欲しかったわ。
と言う訳で、まだまだ3話見ただけで勝手なこと言ってますが、これからまた色々展開していくのかな・・?
やっぱり全部見ないとわからないこともありますからね~・・。
頑張って見れたら見たいと思います!