「マンハント」面白くって見応えあり!!言語と思想で人が人を見つける話。最終話まで見た感想 

マンハント

Netflixの海外ドラマ「マンハント」。途中まではネタバレなしのアニス感想で、後半はネタバレありの感想です。シーズン2に関して追記あります。

いや~・・。参りましたね。Netflixの新作海外ドラマ「マンハント ユナボマー」。

面白かった~!3話でいったん止めて感想書こうかと思いましたけど、止められませんでしたから。

まず凄いのが、これが実話ってとこですね。

こんな良く出来た話が20年前に本当にあったんだなぁ・・と、感心するばかり。

いえね、爆弾魔と言っても「24」のテロのようなスピード感や派手さはありませんよ。

むしろ始めは小さな郵便物で手製爆弾を送り付ける、という犯罪が地味だなぁ・・という印象さえ持ちました。

でもこの犯罪の残酷性も見事に描かれていて、徐々に恐ろしくなります。

にも関わらず、全く証拠を残さない完全犯罪に近い形で、何のパターンもなく、被害者間の関連性も見えてこない。

さらには17年間に渡り犯罪を犯し続けるという、FBIが総力を結集し、威信をかけて犯人を探し続け逮捕に至った中では、最も長い一連の事件だそうです。

そこへやって来たのは大抜擢の新米プロファイラー、ジム・フィッツ。

彼が新しい視点で、この行き詰るFBI捜査班に新風を入れる訳です。

このフィッツを主役に据えたプロファイリング物ですが、実在する有名な連続爆弾魔ユナボマーの人物像にもグッと迫る形で掘り下げていて興味深い!

犯人のカジンスキーを演じたポール・ベタニーが、重厚で真実味のある演技で惹き付けます。

見終わった後には、思わず我が身に置き換えて考えさせられるような社会風刺の仕掛けもあって非常によくできていました!

目次

【ご留意ください】
当ブログは個人が趣味で書いているもので、夜遅くにウトウトしながら感じたままの感想を綴っています。そのため稚拙な文章、品のない物言い、勘違い解釈、天然ボケなどで皆様をご不快にさせてしまうこともあるかもしれません。(その場合は申し訳ございません。)
その点を含めてお許し頂ける方のみ読み進めて頂けましたら幸いです。

また衝撃ネタバレに関してはそのエピソード分の始めに持ってくることもあるのでご注意ください。(内容を順番に書くわけではありません)

「マンハント」登場人物とキャスト

普通の警察官からプロファイラーを目指し、今回初の大抜擢となったジム・フィッツ

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文書解読に天才的な才能がある。

やる気満々だけど、家庭人としては完全失格な仕事人間。

粗野で不器用な情熱家。

俳優のサム・ワーシントンは「アバター」で主役ジェイク・サリーを演じたのが有名なんでしょうか。(全然印象残ってないけど。)

オーストラリア人俳優て、なんでこんなに粗野で荒々しい男にピッタリな人が多いんでしょ。O脚なのがまた素朴・・。

時々ズボンの裾がやけに短かったりして、ダサいのも狙ってるのかな。

決してヒーロー的な役柄ではないのがまたリアルで、「こういう暑苦しい人っているわ~」と思いながらも応援してしまう。

有名なユナボマー、テッド・カジンスキー

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演じるのはイギリスの映画俳優ポール・ベタニー。

へぇ~!この方が「ビューティフル・マインド」でジェニファー・コネリーと知り合い結婚した人だったんですね~。

現在40代後半ですけど、恐らくは体重も相当落として、見た目的にも役柄に迫ってますね。ちゃんと枯れた50代に見えますよ。

リサーチのために資料を読み込み、実際に人里離れた山小屋で3日間暮らしてみるなど、役作りも徹底したみたいです。

見ているだけで飲み込まれるような、空虚な闇を感じさせる演技は脱帽ものです。

FBI長官のアッカーマン

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「セックス・アンド・ザ・シティ」や「グッド・ワイフ」でお馴染みのクリス・ノース。

「ザ!上司」ですよね。

いい人間でも悪い人間でもない、バランスの取れた絶妙な存在感が素敵。

今回の役どころも魅力たっぷりに演じていました。

他にも上司が二人出てきますけど、みんな個性があって素敵です。

言語学者で大学教授のナタリー

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フィッツの活躍は彼女のおかげ?

天才、閃き型のフィッツに、学術的な言語分析法を伝授した才女。

この辺でしょうか。

こうして丁寧にプロファイリングの様子を追ってくれると本当にワクワクして面白いです。

少しずつ犯人に近づいていくフィッツにも覚悟があって見応えあるし、それぞれ自分の仕事にプライドを持つ男たち(女も)の勇気ある英断にも痺れます。

大人向けの深い人間サスペンス、全8話です!

*ここから先はネタバレありの感想です。



「マンハント」ネタバレ感想

ユナボマーをwikiで見ると

「セオドア・カジンスキー」のページをwikiを見ると、本当にドラマ通りのことが書かれていて驚きます。

その中でも一番凄いのは、ハーバード大学に飛び級で16歳で入学後、本当に!CIAの前進機関で人体実験をしていたマレー教授から、拷問とも呼べる心理実験を受けていたことです。

電流を流され、人格を曲げられる実験を2年を受けていたなんて!

これだけでカジンスキーを被害者化したくはありませんけど、この実験が大きな原因となっていたことは否定できませんよね。

本当、この時代のアメリカって怖い国だわ・・。

で、また、カジンスキーの生い立ちが切なくて悲しくて・・。

本人は精神病とレッテルを貼られることを異常に恐れていましたが、実際はやはりそういう部分も大きいでしょうね。

特に逮捕される直前、数か月も山小屋にこもったまま外に出ないなんて完全に鬱状態ですよね。(出て来た時、汚かったぁ・・)

他人との接し方がわからず、人の気持ちも理解できず、窓の外から覗くように社会を眺めて来たカジンスキーは、極端にシンパシーと想像力に欠ける人物でなのでしょう。

あの小さな山小屋でいったん怒りに支配されると、爆弾を作ってマニフェストを世間に発信するだけで自己完結してしまい、それで終了。

次にまた怒りに我を失えば、同じ事の繰り返し。

現実に爆弾がどのように人を傷つけるのか、被害者の痛みや苦しみ、さらにはその家族の苦しみにまでは、実際のところは全く想像が及ばなかったのでしょうね。

裁判所で最後、被害者やその家族からの話を聞く場面が印象的でした。

自分の犯した罪の実情を目の前に突き付けられた後には、主張を披露する場だと意気込んで作成してきたメモも読むことが出来ず、何も語れずに終わりました。




ただ、wikiにも書いてありましたけど、このドラマでも「犯行の動機と、被害者をどう選んだか」については描かれてませんでしたね。

そこをもう一歩踏み込んでくれてたらさらに面白くなったのかな。

一番面白かったのは

7話の家宅捜索令状を取る回が一番盛り上がりました。

今後3か月~半年かけて追い詰めて行く予定だったのが、テレビ局に嗅ぎつけられた為に急遽24時間以内に踏み込まないといけない!!となった時のあの緊張感!

現場での大がかりなオペレーションを指揮するコール。

令状獲得に地道な作業を続ける裏方のフィッツと上司のアンディ。

瀬戸際まで追い詰められた長官のアッカーマン。

さらには法務省の人間に、令状にサインをする裁判長まで。

誰しもが究極のプレッシャーと責任を負う中、最高の仕事してました!

ただ、裁判長が「これは言語分析だけで他には何もないな。こんなことは前例がない。ただ・・」と第二次世界大戦時の日本兵の訛りの話をしてましたけど、この例えがちょっとピンボケで微妙だったような・・。

だって、日本人の訛り英語はそりゃすぐわかるでしょう・・と。

まぁ、「訛り一つで命に関わる決断もし得る。」という点では合ってるんでしょうかね。

フィッツがコケにした3人の女たち

いやだわ~、こんな夫。

家のことを気遣う様子もなく、妻の話も上の空。

何を話してもニヤニヤしてるだけで、ろくに返事はないし、ただただ無言・・、そりゃ~献身的な妻が見限るのもわかりますよ。

しかも、最後通告を言い渡された時のあの表情は一体何?!!

いつものニヤニヤに肩をちょっとすくめただけで余裕の面持ちで去っていきましたよ!

可哀そうな妻・・。3人の男の子がいて、下はまだ2歳くらい?

でも、4人の男の子の世話するよりはいいでしょう。

そう思うしかない可哀そうな美人妻でした。(すぐ次ができるって!)

2人目はFBIで相棒だったタビー。

いいキャラじゃないですか~。女性に好かれる女性ですよね。

そもそも彼女があの手紙に目を留めて証拠室から持ち出したからこそ、今回の逮捕につながったというのに、何なの?!あのフィッツの仕打ち!

しかも言うに事欠いて「ああした時に、自分でもこうなるってわかってたろ」って!

「地獄へ落ちろ!!」

と、一瞬タビーと同じ気持ちになりました。

3人目はナタリー。

ナタリーにはどれだけ助けられたかわかってるんですかね?

彼女の気持ちが先走って、キスしようとしたのを「何してるんだ?」と止めるのはいいですよ。(仕事熱心なんでしょ!)

でもね、「あぁ、いやだ、私ったらてっきり!」と女に恥をかかせた時は、そこは男として何でもいいから、何か言わんかい!!

無言で通すってどういうこと!?

ナタリー、一度切ったのは正解ね。

でも、またお熱になってしまったようで・・、こんな男のどこがいいの?

それにしてもフィッツは面白いキャラですよね。

これだけ深くカジンスキーの思想、人格を分析し、共感できるというのに、なぜ大事な家族や妻、同僚の気持ちは理解できない?!!

カジンスキーを捕らえた後には自分も同じ山小屋生活になっちゃう、なんて性格が真面目で感化され過ぎでしょ。

このまま一人寂しくカジンスキー化するのかと思いましたけど、このフィッツを見捨てないナタリーに救われました。

自立した大学教授のナタリーは恐らくは仕事柄、フィッツのそういう部分、仕事に埋没して自分を見失ってしまう性格を直感的に理解できるのでしょうね。

それにどうも相当惚れているようにも見えるし・・。

よかったね、フィッツ。

頼むから今後は大事にしてね。

機械やテクノロジーに私たちは縛られている?

これは結構思い当たるところもありますね。

フィッツは誰もいない交差点の赤信号で停車してる時に感じるそうですけど、私がすぐ思いつくのはスマホですね。

友人と一緒にいると、ひっきりなしにLINEやメールでピッピ鳴ってますけど、大変そうだなぁ・・と。

不器用で面倒くさがりな私は「死ぬまでガラケー」宣言してます。(ガラケーが滅びなければ・・)

もちろんフェイスブックもツイッターもやらないし(年賀状で許して欲しい・・)楽に、楽に生きようとしてます。(いいか悪いかは別にして)

便利さの裏側にある不便さに気づいた時には、これからもマイペースに断捨離していけたらと思っています。

最後はかなり余談でしたが、ともかく面白要素がぎゅぎゅーっと詰まった良質の犯罪サスペンスで、今回も「ネットフリックスよ、ありがと~!」でした。

【追記】「シーズン2はあると思いますか?」というお問い合わせを頂いたので・・。

まだNetflixからの発表がないのでわかりませんが、実在の事件を基にしたミニシリーズなのでない気がします。

フィッツを主人公にプロファイラー物で続ける・・という路線もあるかもしれませんが、これだけの凄い事件の後に、何か架空の事件を作ってもシーズン1は超えられないでしょうしね。

それにフィッツにそれだけの魅力があるか・・?と言われるとうーん、微妙な気も・・。

役者さんは魅力的ですけど、フィッツというキャラ自体がシリーズ物の主役タイプじゃないような。

山小屋に籠って暮らすフィッツを、毎回FBIが無理やり要請して担ぎ出す・・。って、ちょっと無理かなぁ・・。

追記:「マンハント」シーズン2はアンソロジー

この場合は、シーズン2という言い方はしないかもしれせんが、「マンハント: ローン・ウルフ」というタイトルで現在製作されているそうです。

実録事件繋がりで「マンハント」を続けるようですが、今回は1996年のアトランタオリンピックで起きた爆発事件を題材にするようで、あれま、「爆弾」繋がりもこだわるのかな・・?

もちろんキャストも一新され、ジャック・ヒューストンやキャメロン・ブリットンが出演するとのこと。

これまた面白そうですね~。

残忍な事件を描くサスペンスは溢れていても、実際に起きた爆発事件を扱うドラマって結構新鮮で興味深いかも。

まだ配信時期は明らかになっていませんが、分かったら追記しておきます。

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