アニスの今日の海外ドラマ

海外ドラマ20年、国際結婚10年の働く40女です。今日も勝手なネタバレ感想をブツクサ書いてます。

「コラテラル 真実の行方」キャリー・マリガンを堪能できる大人のための良質ドラマ 全話見た感想

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*前半はネタバレなしの感想、注意書き以降はネタバレ含みます。

久しぶりのNetflixのドラマ記事です。

最近「ウォーキング・デッド」と「ハンドメイズ・テイル」でhulu優勢でしたけど、こちらも頑張って見ましたよ!

といっても、4話完結のミニ・シリーズで見やすそうなので目をつけましたが、決め手はなんといっても、主演のキャリー・マリガン

「17歳の肖像」で賞を取りまくった実力派の若手女優ですが、私は「ドライブ」と「わたしを離さないで」を見て強烈に印象に残ってました。

 

可憐な少女のような容姿の中に、これだけ芯の強さや逞しさを感じさせる人はそうそういないしょう。

あの大きくて眠そうな目が癒し系なのに、同時に多くを物語るんですよね・・。

 

そんなマリガンがBBCドラマに主演!となったら絶対見たいところ!

今回は彼女が「秘める逞しさ」を全面に押し出し、Fワードも連発のやり手刑事として自立した女性の強さで魅せまくってくれました。

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どんな話?

テーマはズバリ、イギリスの移民問題で、そこに絡む殺人事件がメインのイベントになってます。

労働党の政治家が出てきたり、多種多様な移民の方々が出てきたりで、イギリスの移民問題を多角的に説明してくれるので、政治に興味のある人には面白い要素の一つになってると思います。

ただ私に関して言うと、仏人夫が若干左寄りな人で、この労働党の政治家と同じようなことを日頃から熱く語る面倒な人なんです・・。

私がちょっと日本を擁護するような発言をすると、「ナショナリストだ」なんだの延々とスピーチが続くんで、いつも「右から左へ~受け流す~・・」状態なんですけどね。

なのでその辺はちょっと流し見気味でしたけど、でも決して難しく描かれていないし、気軽に興味深く見れる感じではありますが・・。

個人的に一番面白く感じたのは、やっぱりキャリー・マリガン演じる刑事キップの洞察力と人間力で、「もっと彼女のことを知りたい!」と思わず引き込まれてしまいました。

 

登場人物紹介

すみません・・色々興味深いキャラは多いんですけど、思いっきりサボって2人だけで・・

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女刑事キップ。

妊娠6か月なのに不眠不休で事件の解決に挑むので、お腹の赤ちゃんが心配になるほど・・。パートナーのネイサンはほとんど無視で、己の直感に導かれるまま突き進む。

 

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犯人のサンドリン・ショー大佐。

そうそう、犯人はすぐ分かっちゃうんです。でも面白いんですよね。

その背景は徐々に明らかになってきますが、彼女の抱える孤独と苦しみは見ていて痛々しいほどです。

 

あと、色々いるんですよ。むしろ登場人物は多いくらい・・。

でも本当に興味を惹かれたのはこの2人かなぁ。

どちらも互いに同じ年代で、多少の挫折はあったものの、スター選手として光の道を歩いて来たキップと、軍人として死と隣り合わせの闇の世界を孤独に生きて来たサンドリンが好対照に描かれている形でしょうか。

見る人によって、共感できる方が違ってくると思いますけど、最後に2人がドア越しに対峙する時何が起こるのか・・?

 

全体的な印象は・・

まぁ、地味といったら地味ですね。。

犯人は始めから分かっちゃうし、次の犠牲者が出る前に阻止できるか?!的な緊張感はないし、謎解き要素やどんでん返しもない静かな人間ドラマ・・。

でも最後までよく作り込まれていて面白かったと思います。

気軽に見れる一話完結の刑事ドラマを深く掘り下げ丁寧に描いたら4話になっちゃった・・という感じですかね。

衝撃展開はないのに、最後までなんとなく面白く見れてしまうのはマリガンの魅力がやっぱり大きいです。(見せ場もしっかりある!)

マリガン以外にも演技派の役者さんたちがひしめき合っていて見応えアリだし、色んな意味でインテリが楽しめる良質ドラマでした。

 

*これ以降はネタバレ感想になりますのでご注意ください。

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政治的な側面も描く人間ドラマ

なんだか政治色の強いドラマでしたね。

いろんな立場の人たちを描いて、イギリスの「今」を浮き彫りにしてましたけど、それほど強烈な人もいなかったかな。

あ、一人だけいたわ、あいつ。軍の上官のレイプ魔。

常套手段がパターン化しているセクハラ男

奥さん役の女優さんはイギリスドラマでよく見かけますけど、綺麗な人ですよね~。

あんな人がよくレイプ魔と生活してきたものだわ。

今回はサンドリンが迫真の面持ちで真実を伝えに来てくれたので、彼女も自身の虚構生活に向き合わざるを得なくなりました。

以前から度々夫の悪い噂は耳にしていたようだったので、苦しかったでしょうね・・。今回が潮時でした。

 

オバちゃん聖職者の愛

あのカップルも微妙ですよね。

同性愛云々の前に、年齢差ありすぎでしょ。

母と娘くらいの年齢差で、あの神父も今後どうしたかったんでしょうかね?

ただ最後は自分の私生活よりも教区の人々を救う事を選ぶ・・なんて言って彼女に別れを告げていました。

うん、それでよかった気がするなぁ・・。

ベトナム人の23歳の彼女はこれからいろんな出会いがあるだろうし、アラフィフの束縛女に固執することもないでしょう・・。

 

ピザ店を仕切る彼女に降ってかかった不幸

今回のことは不運としかいいようがない・・!

病気の母を一人で介護しながら店を切り盛りして来たのに、突然殺人の手引きをすることを強要され、罪悪感に苦しむことに・・。

そのあげくに殺されるって、酷い過ぎ。

残された母は誰が面倒見るの?イギリスの福祉問題もチラ見させて、色々考えさせる趣向になってます。

 

大人になり切れない政治家の元妻

あの女の子の父親が政治家なのはわかりましたけど、赤ちゃんの父親は誰だったの?

見限ることを決めた政治家が娘を取り戻す!と言ってましたけど、赤ちゃんまでは引き取ってくれないですよね・・。赤ちゃん心配だわぁ・・。

政治家が援助をやめたら、これまでみたいにナニーも雇えないでしょうしね。

 

サンドリンが気の毒すぎる

愛する父と兄を無くし、残るのは感情のなくなった、自分に興味のない母親だけ・・。

父親たちの幻影を追うように陸軍で身を粉にして働きたいのに、現地には行かせてくれないし、親友の女兵士を目の前で亡くしたトラウマで自身も崩壊寸前・・。

何かを証明したくて、今回こんな殺人事件に加担してしまったけど、それも後悔・・。

ゲス上官には弱みを掴まれレイプされるし、まさに踏んだり蹴ったりでした。

うーん、あのカチンコチンの歩き方が、彼女の人生そのものを表していましたよね。

もう少し肩の力を抜いて周りを見渡せていたら何か違う景色も目に入ったのかな・・。

 

ただ前を見据えて必死に生き抜き、気が付いたら35歳で、自分には何も残っていなかったサンドリン。

対するキップは愛する夫とお腹に赤ちゃんがいて、仕事も充実、人生のハイライトがこれからも続く女性で、この対照がえげつない程際立っていました。

そういう部分では、キップの人生の方ももう少し見せてくれてもよかった気がするなぁ・・。

サンドリンの方は何から何まで説明されていたけど、キップはちょっと物足りなかったかも。(夫との会話(電話)がやけに素っ気なかったけど、あれはあれで信頼関係があってのものよね?)

 

凄すぎるキップの洞察力!

陸上選手だったキップには、こんな才覚が眠っていたんですねぇ・・。

妊娠中にも関わらず不眠不休で生き生きしてました。

最後はあのMI5の男を出し抜いて、「私のことを見くびり過ぎた」ってキメ台詞もカッコよかったし、もうこの際、彼女の方がMI5で働くべきでしょう!

 

ただですね、最後のサンドリンと対峙した時だけちょっと失敗しちゃいましたね。

でも、サンドリンに自殺願望があったなんて事前情報としてなかっただろうし、まさか自分の喉元に銃を向けてる状態とは想像つかないでしょうしね。

「テロリストじゃなかった」と言ってしまった途端にサンドリンの声色が変わり、「シクった!」と気が付いた時のキップの表情が今回のドラマの山場でした。

 

そういう意味ではこれと言った山場がなかったかも

だってさ~、結局あの陸軍の男は捕まらずに逃げ切った訳でしょ?

密入国手配の違法商売で稼ぐだけ稼いで、危険を察知したら「ハイ!解散!」とばかりに逃げてお終い・・?

え?捕まらないの?って最後は食傷気味でしたけど、これって続きがあるってこと?

確かにこのキップは人気キャラになりそうだし、マリガンのスケジュールさえ確保できたらいくらでもシーズン続けられそうですけどね。

それにしても悔しいなぁ・・。

あの男は親友の娘を死に追いやり、その母親を天涯孤独にさせたことを知ってるのかな?

うーん、捕まえる時は徹底的にギャフンと言わせて欲しいわ!

 

それと、あの女は結局MI5のスパイだったってことですけど、あの密入国業者としてスパイをしていて、具体的には何を取り締まっていたのかがよく分かりませんでした。(私だけ?)

 

と言う訳で、そんな感じでしょうか?

今度もし続き物がある場合はもう少し緊張感のあるシークエンスを入れて欲しいですね。キップもジリジリと追い詰められるような、ギリギリの展開で描いてくれたらもっと面白いかも。

でも、まぁ今回はキャリー・マリガンが絶妙の演技がキップというキャラにハマって良かったので、それだけでも満足でした。